2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390398
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山下 敏彦 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (70244366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 庸雄 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347166)
石合 純夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80193241)
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
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Keywords | 神経根性疼痛 / 神経根絞扼モデル / 後根神経節 / Na+チャネル / 交感神経 / 疼痛関連遺伝子 / CGRP / galanin |
Research Abstract |
1.慢性疼痛の発生メカニズムに関する研究 (1)腰部神経根症モデルにおける後根神経細胞の電気生理学的検討 神経根絞扼モデルにおいて、後肢足底のmechanical allodynia、thermal hyperalgesiaを認めた。神経根絞扼群の閾値電流量の低下や反復性dischargeの亢進、peak Na^+電流量の増加が認められ、絞扼側DRG neuronの興奮性亢進を確認した。本研究の結果より、神経損傷部位での異所性発火やNa^+チャネルの異常集積が、慢性神経根性疼痛の原因と推測された。 (2)神経根性疼痛発生における交感神経の関与 TH-IR fiberは神経根絞扼モデルの当該レベルDRGで増加しており、交感神経が本モデルの疼痛発生に影響を及ぼしていることが示唆された。また、神経根絞扼モデルで出現した疼痛関連行動は交感神経を切除することで抑制できた。即ち交感神経が神経根性疼痛発生に重要な役割を果たしていることが証明された。 (3)ラット腰部神経根絞扼モデルにおける後根神経節の遺伝子発現の解析 腰椎神経根障害モデルにおける、障害神経根の後根神経節における分子変化を同定した。Early phase群は16遺伝子が、mid-phase群では56遺伝子が、continuous群では17遺伝子が発現増加を示した。これらの遺伝子は、腰椎神経根障害の分子学的治療のtargetとしての可能性が考えられた。 2.疼痛に関与する客観的指標に関する研究 (1)腰椎椎間板切除術施行患者における血清および脳脊髄液中神経ペプチドの解析 血清CGRP、galaninには腰椎神経根性疼痛における疼痛程度の神経科学的サインとしての役割があることが示唆された。また、血清CGRP、galanin値は腰椎椎間板ヘルニアによる神経原性炎症の程度を反映していると思われた。
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Research Products
(5 results)