2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390398
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山下 敏彦 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (70244366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 庸雄 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347166)
石合 純夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80193241)
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
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Keywords | 神経根性疼痛 / 神経根絞扼モデル / 後根神経節 / ノルエピネフリン / 交感神経 / グリア細胞 / マイクログリア |
Research Abstract |
I.神経根絞扼モデルを用いた慢性疼痛メカニズムに関する研究 1.電気生理学的検討 1)神経根絞扼モデルの後根神経節細胞に対するノルエピネフリンの効果: 神経根絞扼モデルにおいてnorepinephrine(NE)が後根神経節(DRG)細胞の興奮性に及ぼす影響を検討した。また、交感神経遮断薬を併用し、NEが作用するadrenoceptorのsubtypeを検索した。 NEには神経根絞扼モデルのDRG細胞の興奮性を増強させる作用があった。NEの効果は、α2-antagonistでは抑制されたが、α1-antagonistでは抑制されず、DRG細胞に対する興奮増強作用はα2-adrenoceptorを介していると考えられた。慢性神経根性疼痛に対するα2-antagonistの治療薬としての可能性が考えられた。 2.免疫組織化学的検討 1)神経根絞扼モデルラットにおける脊髄のグリア細胞の活性化 神経根絞扼モデルを用い、疼痛過敏の発生と維持のメカニズムにおけるグリア細胞の関与を検討した。 免疫組織染色の結果、絞扼後1日、7日の障害側脊髄後角部を中心に、胞体が肥大化した活性化型のマイクリグリアが認められ、二重染色ではp-p38MAPKと共染した。絞扼後28日では形態変化やp-p38MAPKとの共染は見られなかった。 Western blotによる定量解析の結果では、絞扼後1日、7日の脊髄においてp-p38MAPKは障害側で有意に増加していたが、絞扼後28日では有意差は認められなかった。 マイクログリアは、疼痛過敏の状態の形成に主として関与し、その維持には関与していないことが示唆された。神経根性疼痛の発生の初期に脊髄のマイクログリアの活性化により産生された液性因子が関与していると考えられ、マイクログリアの抑制薬など、新たな治療方法の開発につながる可能性がある。
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Research Products
(4 results)