2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390398
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山下 敏彦 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (70244366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 庸雄 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347166)
石合 純夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80193241)
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
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Keywords | 神経根性疼痛 / 神経根絞扼モデル / 脊髄膠様質 / 交感神経 / 慢性腰痛 / 集学的アプローチ / パッチクランプ |
Research Abstract |
1. 基礎的研究:電気生理学的アプローチ (1). 脊髄膠様質細胞におけるシナプス伝達の変化 in vivo patch-clamp法を用いて,神経根絞扼後の膠様質細胞におけるシナプス伝達の変化を解析した。141個の膠様質細胞から記録を行った。L4,L5髄節では自発活動電位を発する細胞の割合は増加し,自発活動電位の発生頻度は有意に増加した。また、触覚刺激,痛覚刺激により誘発されたEPSCの振幅は増大した。 (2). 神経根性疼痛における交感神経の関与 神経根絞扼モデルを用い、交感神経切除が後根神経節細胞に及ぼす影響を検討した。その結果、神経根絞扼+交感神経切除群で、threshold currentの増加、反復性dischargeの抑制など、後根神経節細胞の易発火性が抑制された。 2. 臨床的研究:慢性腰痛患者の臨床像と集学的アプローチ 慢性腰痛患者を対象とし、社会心理学的背景の分析を行った。また、難治性慢性腰痛患者に対し、理学療法、心理療法、生活環境整備からなる集学的治療を行い効果を検討した。 (1). 慢性腰痛患者の社会心理学的背景の分析 CMIでは、慢性腰痛患者では神経症的傾向を示す領域IIIもしくはIVに分類される症例が多かった。慢性腰痛患者におけるSF-36総得点は、国民標準値換算で800点満点中324.4点であり、すべての下位尺度で国民標準値を下回っていた。身体機能とそれに基づく身体性社会的役割に関する点数が低値を示した。慢性腰痛におけるセルフエフィカシー得点は8.7点であり、一般成人値9.6点より下回っていた。 (2). 慢性腰痛患者に対する集学的治療 集学的治療施行群における総得点は303.1点であり、全ての下位尺度において非施行群(218点)と比較して高得点であった。統計学的検討では、疼痛、活力、精神的健康感を除き、両群間に有意な差を認めた。
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Research Products
(10 results)