2007 Fiscal Year Annual Research Report
散在性反復配列(利的遺伝子)の脱メチル化による新たなヒト精巣腫瘍発癌モデルの構築
Project/Area Number |
19390413
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡本 圭生 Shiga University of Medical Science, 医学部, 講師 (50303780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 享弘 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90346023)
岡田 裕作 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127062)
牛田 博 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80418756)
上仁 数義 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90324590)
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Keywords | 精巣腫瘍 / エピジェネティックス / メチル化 / 発癌モデル / メチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
われわれのグループは精巣腫瘍のエピジェネティックスとその制御機構について一連の研究を行い,精巣腫瘍DNAには脱メチル化状態という体細胞由来の癌とは異なる特性が存在することを見出した。今年度の研究では精巣腫瘍の脱メチル化維持機構を中心に行ったが,これまでのわれわれの解析から,正常精巣や体細胞では発現を認めないものの,精巣腫瘍では高発現していることが碓認されたDNMT3Lについての解析を重点的に行った。 興味深いことにDNMT3Lは胎生期の始原生殖細胞(PGCs)の特定時期にのみ発現し,レトロエレメントやインプリンテイング遺伝子のメチル化獲得に重要な役割を果たすことが知られている。これまでのわわれの実験から精巣腫瘍におけるDNMT3L遺伝子配列変異はなかったものの,本研究では細胞株6株においてDNMT3LをsiRNAにより強制的にダウンレギュレーションした細胞株を作成して精巣腫瘍におけるDNMT3Lの果たす役割を検討に入ったが,この目的のためにヒトDNMT3Lに対する抗ヒトDNMT3Lポリクローナル抗体を作成した。 予備実験では全長に対する抗体により,予想通り精巣腫瘍細胞株,精巣腫瘍組織で核の染色が確認され現在多数の組織での染色性を検討中である。本抗体を用いて現在作成中のDNMT3Lノックダウン精巣腫瘍細胞株でのダウンレギュレーション効果を検証中である。ダウンレギュレーション効果が確認されればただちにその生物学的活性の意義を精巣腫瘍株で検討していく。
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