2009 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿生殖器系における間質細胞の多様性と普遍性に関する分子生理学的検討
Project/Area Number |
19390418
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋谷 光 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (10315905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80037548)
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00381830)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
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Keywords | 泌尿生殖器 / 間質細胞 / 平滑筋 / 自動運動 / Kit受容体 / 細胞内カルシウム / 活動電位 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
ウサギ尿道間質細胞において、核周辺に集積するミトコンドリアに一致した基点から自発細胞内Ca^2+波を生じることを示した。核周辺領域では自発細胞内Ca^2+波に先行する緩徐なCa^2+濃度上昇を認め、それ以外の領域では伝播しない一過性Ca^2+濃度上昇が観察され、自発細胞内Ca^2+波がミトコンドリアあるいは小胞体のCa^2+代謝阻害によって抑制されたことと併せて、核周囲ミトコンドリアのCa^2+バッファー能は間質細胞の自発活動の頻度規定に重要であると考えられた。 マウス腎孟の定型平滑筋においてATP感受性K^+チャネル開口薬は過分極を生じて自発活動電位の発生を抑制した。一方、ミトコンドリアATP感受性K^+チャネル開口薬は非定型平滑筋の自発一過性Ca^2+濃度上昇の頻度を低下させ、定型平滑筋においては過分極を伴わずに活動電位を減少させた。非定型平滑筋細胞の自発活動の頻度の規定にミトコンドリアによるCa^2+取り込みが重要な役割を果たしていることが示唆され、ミトコンドリア機能阻害による自発活動の停止によって裏付けられた。ミトコンドリア脱共役剤は内膜電位の脱分極を生じ、小胞体へのCa^2+取り込み阻害に伴っても軽微な脱分極が認められた。 モルモット膀胱平滑筋においてβ_3受容体作動薬は過分極を起こさずに自発活動電位の頻度を減少させ、自発収縮を抑制した。PDE4阻害薬は過分極を生じて自発活電位の頻度を減少させて自発収縮御を抑制したが、この過分極は大コンダクタンスCa^2+感受性K^+チャネル阻害薬によって抑制されなかった。β_3受容体作動薬、PDE4阻害薬は経壁神経刺激による平滑筋収縮をL型Ca^2+チャネル阻害条件下でも抑制し、その弛緩作用には膜の過分極に伴うL型Ca^2+チャネルからのカルシウム流入抑制以外の機構が重要であることを示した。
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