2007 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌播種性転移のシグナル経路解析とその抑制物質の探索
Project/Area Number |
19390426
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 郁生 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90192062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 和子 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (40303458)
堀内 晶子 信州大学, 医学部, 助教 (80334895)
長田 亮介 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (80418722)
大平 哲史 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90397315)
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Keywords | 卵巣癌 / 播種性転移 / メチル化 / S100A4 / Snail / RhoA / E-cadherin / Hedgehog |
Research Abstract |
I.卵巣癌細胞におけるHIF-SNAILシグナルの解析 卵巣癌細胞株SKOV3は低酸素下によりSKOV3細胞のE-cadherin発現は減弱し、HIF-1αおよびHIF-2αの発現が誘導され、それと同時にE-cadherin転写抑制因子のなかでもSNAIL発現が増加した。 II.卵巣癌細胞におけるS100A4-RhoAシグナルの解析 S100A4の発現を免疫組織学的に検討したところ、卵巣癌では良性、境界悪性腫瘍に比べ有意に発現が増強していた。さらに、S100A4低発現卵巣癌細胞株に対してS100A4発現増強するとRhoAの活性が亢進し浸潤能は亢進した。一方、S100A4の浸潤能亢進効果がRho inhibitorおよびRho kinase inhibitorで抑制された。 III.卵巣癌細胞におけるS100A4エピジェネテイクス解析 免疫染色にてS100A4陽性部分と陰性部分に分けてマイクロダイセクションを行った後、DNAを抽出し、メチル化の有無を解析した結果、S100A4遺伝子の第1イントロンのCpGサイトは、S100A4低発現胞のOVCAR3細胞ではメチル化され、S100A4高発現細胞株では脱メチル化されていた。 IV.卵巣癌細胞におけるHedgehogシグナルの解析 癌ではHedgehog signalのligandであるsHH, Pathed1, SMO, Gli1ともに良性および境界悪性に比べて有意に発現が亢進していることが明らかになった。またその発現は細胞増殖マーカーであるKi67の発現と相関していた。さらに4種の卵巣癌細胞株において、Hedgehog Pathwayの阻害物質であるCyclopamineを添加したところ細胞増殖が抑制された。これらの結果から、卵巣癌ではHedgehog Pathway亢進が細胞増殖と関連していることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)