2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390435
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
湯本 英二 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40116992)
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Keywords | 反回神経 / 脱神経 / 神経再支配 / 甲状披裂筋 / 神経筋弁移植術 |
Research Abstract |
一側反回神経脱神経モデル動物を作成し、一定期間経過後に神経筋弁移植術を行い術後10週飼育し(以下、移植群)、甲状披裂筋の変性を脱神経群の所見と形態学的および生理学的に比較した。移植群では筋全体の萎縮はみられず、筋線維の大きさにばらっきがあった。32週時の移植群を除けば筋全体および筋線維の断面積は対応する脱神経群よりも有意に大きかった。即時移植群は16週以後の移植群よりも筋線維断面積が有意に大きかった。移植群の神経終末数は即時および8週時移植群で対応する脱神経群よりも有意に多かった。他の時期の移植群では有意差がみられなかった。また、即時移植群は8週時移植群よりも、16週時移植群は32週時移植群よりも有意に多かった。AchR数は即時移植群で対応する脱神経群よりも有意に多かった。移植術までの脱神経期間に応じて神経終末数、AchR数ともに徐々に減少した。移植群のすべての動物で、頸神経ワナの電気刺激によって甲状披裂筋の誘発活動電位を認めた。この筋電位は移植した頸神経ワナの切断後および切断した反回神経の中枢側断端の電気刺激では誘発されなかった。移植術までの脱神経期間に応じて誘発活動電位が低下した。昨年度に得られた脱神経群の所見との比較から、甲状披裂筋は長期脱神経後も再生運動神経線維を受け入れる可能性のあることが分かった。全動物で甲状披裂筋の誘発電位が記録されたことから頸神経ワナを介して甲状披裂筋に神経再支配が起こったと考えられた。また、移植群のAchRは脱神経群に比して大きく正常に近かったことも神経再支配が起こったことを示唆すると考えられた。
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Research Products
(9 results)