2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390437
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大森 孝一 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (10233272)
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Keywords | 移植・再生医療 / 細胞・組織 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、喉頭、気管、咽頭、食道など頭頸部組織の多層構造の再生をはかることにあり、自家移植用の線維芽細胞の検索、各種幹細胞移植による血管網形成を評価し、最適の細胞を含む人工材料を作製する。昨年度は、ラットの同一個体から気管、皮膚、頬粘膜、歯肉粘膜、鼻粘膜より線維芽細胞を採取し培養した。歯肉粘膜由来の線維芽細胞が、形態的にも機能的にも正常気管に近い組織再生を促進することが判明した。 本年度はラットおよびウサギを用いて、線維芽細胞とコラーゲンスポンジからなるハイブリッド人工材料を作製し、これを移植して気管を再建した。内視鏡、摘出標本のH-E染色、電子顕微鏡による気管内腔面の観察、上皮細胞層の厚さについて評価した。線維芽細胞を用いることで、早期に気管上皮を再生させることが可能となった。 ヌードラット皮下に脂肪組織由来幹細胞(ASC)を含むマトリゲルや人工材料を移植し、免疫組織学的にASCの血管新生促進効果を確認した。また、ASCとコラーゲンスポンジからなる人工材料を作製し気管欠損に移植したところ、早期に分化した気管上皮再生を得られることがわかった。 層ごとに細胞を組み込んだ人工材料の作製および動物への移植実験を行った。細胞には、レシピエントと識別するために、レトロウイルスによるトランスフェクションによって緑色蛍光蛋白GFPや赤色蛍光蛋白mRFP1を発現させた。線維芽細胞をコラーゲンゲル中に播種し、脂肪組織由来幹細胞を隣接組織と線維芽細胞層の間のコラーゲンスポンジに含ませて、多層構造の人工材料を作製する技術を確立した。
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Research Products
(20 results)