2007 Fiscal Year Annual Research Report
内耳有毛細胞に存在する新規機械電気変換イオンチャネルの単離と機能解析
Project/Area Number |
19390438
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鵜川 眞也 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (20326135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90244540)
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
石田 雄介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30381809)
梶田 健二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80381820)
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Keywords | MET channel / ASIC1b / 有毛細胞 / 感覚毛 / 内耳 / ノックアウトマウス / ABR / 難聴 |
Research Abstract |
ASIC1bの遺伝子を破壊したASIC1bノックアウトマウスを作製した。サザンブロット法、RT-PCR法、in situ hybridization法などを用いて実際にASIC1bの遺伝子が発現していないことを確認した上で、野生型C57BL6Jマウスと戻し交配を続けた。F6およびF7世代のノックアウトマウスの聴力をABR(auditory brain response)にて生理学的に検査したところ、約25dBの難聴を認めた。一方、ヘテロマウスの聴力はすべての個体において正常であったことから、この難聴の原因はASIC1b遺伝子にあると考えられた。ASIC1bは有毛細胞の感覚毛に発現することから、そのノックアウトマウスの有毛細胞は変性を来しているかもしれず、そのことが難聴の原因になっている可能性もあるので、電子顕微鏡学的に蝸牛および有毛細胞の形態を観察したが、野生型マウスと比較して特に違いは認められなかった。このことは、有毛細胞自身の機能異常が難聴の原因になっていることを示唆している。DPOAEにてノックアウトマウスの外有毛細胞の機能を調べたところ、ばらつきはあるもののノックアウトマウスのほぼ全個体において中等度から重度の異常を認めた。このことは、有毛細胞の感覚毛に発現するASIC1bチャネルが機械刺激受容に重要な役割を果たしていることを示している。今後、ノックアウトマウスの有毛細胞で惹起されるMET(mechano-electrical transduction)電流をパッチクランプ法を用いて測定する予定である。
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Research Products
(2 results)