2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム解析,幹細胞生物学を利用した日本人加齢黄斑変性の発症と進行機序の解明
Project/Area Number |
19390442
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 長久 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70211662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 助教 (40402846)
大谷 篤史 京都大学, 医学研究科, 助教 (30314222)
田村 寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (40418760)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 脈絡膜新生血管 / 骨髄由来末梢血幹細胞 / 強度近視 / 特発性脈絡膜新生血管 |
Research Abstract |
ヒト骨髄培養系にてCFU-EC(血管内皮細胞コロニー形成能)、CFU-GM(顆粒球、マクロファージコロニー形成能)を加齢黄斑変性症患者で測定した。血管新生膜形成の活動期ほど末梢血循環骨髄由来幹細胞数が多いこと、末梢血幹細胞機能が低い患者では有意に病変の大きさが大きく、また両眼発症のリスクが高い事がわかった。加齢黄斑変性のみでなく、強度近視に伴った脈絡膜新生血管、若年者に発症する特発性脈絡膜新生血管患者においても、同様の関与が推察された。動物モデルでの研究から、加齢黄斑変性に伴う脈絡膜血管新生への新治療の可能性を示したが、サイトカインを使って骨髄機能を賦活させる方法を開発した。その方法を使い骨髄由来幹細胞機能を賦活させると、脈絡膜新生血管膜形成を抑制することが出来ることがわかった。この方法が新たな加齢黄斑変性治療となりうることを証明することができた。 骨髄由来細胞が加齢黄斑変性治療に及ぼす影響についても検討した。加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血管に対し光線力学療法を行なっているが、同治療前後の患者末梢血骨髄由来幹細胞数の変化を検討した。光線力学療法により患者末梢血の骨髄由来幹細胞数が変化することを見出した。細胞誘導数はレーザー照射の大きさに関連し、大きい照射を行なったほうがより多くの細胞が誘導されていることがわかった。また、症例によって、明らかに増加する群としない群に分けることが出来、現在それらの臨床経過の違いについて検討中である。また、骨髄より末梢血への幹細胞誘導を引き起こす因子についても検討している。いくつかの蛋白が関連している可能性を見出している。
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Research Products
(5 results)