2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390443
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大黒 伸行 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (00303967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 俊一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (60263406)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 中空ナノ粒子 / リポソーム / 分子標的 |
Research Abstract |
(1)網膜神経節細胞(RGC)の標的化 RGC特異的表面マーカーであるThy1分子を標的として、抗Thy1抗体をBNC表面に修飾したナノ粒子を作成した(T-BNC)。表面修飾の条件設定などを行なうに際し、RGC同様表面にThy1分子を発現しているPC12細胞ラインを用いての予備実験を行なった。まず、T-BNC表面にローダミン色素を標識してT-BNCがPC12細胞表面に結合するか否かを検討した。結果はT-BNCはPC12表面に結合するが、コントロール(抗Thy1抗体とisotypeであるIgGをBNC表面に修飾した粒子)は結合しなかった。この結果から、T-BNCはThy1分子的標的としうることが確認された。 (2)血管内皮細胞の標的化 抗マウスE-セレクチン抗体をBNC表面に修飾し活性化血管内細胞標的BNCを作成した(以後、E-BNC)。炎症モデル動物としてEAUマウスを作成し、炎症のピーク時に尾静脈からE-ENCを投与し、投与数日後に眼球を摘出し、網膜flat mountを作成して共焦点顕微鏡にて蛍光物質の局在・GFPの発現を確認した。その結果、E-BNCは炎症部位の血管内皮細胞を標的化することは確認できた。しかしながら、BNCはマウスのIgG1に対する親和性が弱いことが判明し(IgG2に対して結合は比較的良好、ラットIgGは問題ないためT-BNCの実験は計画通り進行中)、現在親和性向上についての検討を行なっている。また、抗マウスE-セレクチン抗的のIgG2を探している最中である。以上より、標的化はできるが、結合が弱いため、炎症部位の血管内皮細胞標的化の最適条件を検討することができない状況にある。 これらの検討を施行中、以前産業総合研究所と共同実験をしたリポソームに抗マウスE-セレクチン抗体を修飾し、その効果を検討してみた。シアリルルイスX修飾リポソームは炎症部位血管内皮細胞を標的化できることを以前我々は示したが、抗マウスE-セレクチン抗体修飾リポソーム(E-Lipo)でも同様に標的化できることを確認した。
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