2008 Fiscal Year Annual Research Report
各種視神経変性モデルにおける網膜神経節細胞死と細胞外基質の関連の解明
Project/Area Number |
19390444
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
根木 昭 Kobe University, 医学研究科, 教授 (00189359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠 神戸大学, 医学研究科, 講師 (80273788)
金森 章泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10444572)
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Keywords | 視神経 / 緑内障 / 網膜神経節細胞 / グリア細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、雄Sprague-Dawleyラットを用いて各種の視神経変性モデルを作成した。一群では、頭皮切開で視神経を露出して、球後2mmの位置で宝石用鑷子を用いて10秒間把持して、挫滅モデルとした。別の群では、3本の上強膜静脈を焼灼して慢性高眼圧モデルとした。また別の群では尾静脈からストレプトゾトシン(STZ)を静注し、糖尿病モデルとした。眼圧はトノラボ(R)を用いて計測した。このうち、今年度は慢性高眼圧モデルにおける網膜および視神経のアクアポリン(AQP)1,4,9の発現変化を免疫組織学的に検討した。正常対照眼では、網膜では内外網状層にAQP4の免疫染色性を示すものの、AQP1と9のそれはみられなかった。視神経では、表層を除き、眼球内および球後視神経にAQP9の高い面積染色性を示す一方、AQP4は表層のみ発現が見られた。慢性高眼圧では、網膜表層のAQP1の発現が上昇する一方、AQP4の発現に変化は見られなかった。これに対し、視神経内のAQP9の免疫染色性は高眼圧モデルでは極端に減少していた。 一方、ヒト緑内障眼の網膜神経線維の菲薄化と静的視野の感度低下の局在対応関係を調べた。光干渉断層計のRNFLTセクター解析とHumphrey30-2閾値検査上のトータル偏差との間には、中等度の相関関係が存在していた。測定点を一定のグループにクラスター化したところ、特定の領域ごとにクラスター化した揚合に、相関係数が高まった。しかしながら、視野との対応関係は水平経線近傍ほどかえって悪くなり、実際の構造・機能対応とは乖離していた。これは網膜神経線維が放射状には走行しておらず、かつ視神経乳頭は眼球面対して5°ほど回旋して刺入していることに起因すると思われた。
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Research Products
(3 results)