2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症に伴う増殖組織の発症進展因子に関するゲノム医科学、疫学的研究
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19390445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 達朗 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (30150428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 茂生 福岡大学, 筑紫病院, 講師 (50363370)
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Keywords | ゲノム医科学 / 糖尿病網膜症 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1)前年度に作成した増殖糖尿病網膜症に伴う増殖組織のデータベースをBioinforaticsにより機能分類したところ、細胞生理反応、代謝、ストレス反応、細胞間コミュニケーションなどに分類できた(論文投稿中)。 2)発現遺伝子群の解析により、腫瘍新生血管で特異的に発現が上昇しているtumor endothelial marker7(TEM7)が線維血管増殖組織の新生血管にも発現していることを確認した。また、TEM7のスプライスバリアントの解析を行い、線維血管増殖組織中に膜型や分泌型の異なるアイソフォームが存在することを見出し、TEM7が増殖糖尿病網膜症の新しい診断や治療の分子マーカーになる可能性を示した(Yamaji Y,Ishibashi T et al.Invest Ophthalmol Vis Sci,49:3151-3157)。 3)糖尿病網膜症患者の硝子体中の血管新生関連因子をmultiplex ELISA法で測定し、硝子体手術前後で比較したところ、VEGFやangiopietinなど促進因子が急速に減少しており、網膜症の沈静化に寄与すると考えられた(論文投稿中)。 4)前年度に行ったIlluminaマイクロアレイを用いた酸素負荷網膜症モデルマウス網膜での包括的遺伝子発現のデータマイニングを行い、虚血網膜では、コントロール網膜に比し解糖系、免疫炎症反応やアポトーシス関連遺伝子の発現レベルが変化することが明らかとなった。特にマクロファージ走化性のケモカインであるMip-1βが最も発現誘導されていた。そこでMip-1βの発現動態と局在について検討したところ、Mip-1βは虚血部位である網膜の内層に発現誘導され、網膜の虚血後の網膜内マイクログリアの誘導に関与していることがわかった(論文準備中)。
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