2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫のがん幹細胞研究:分化・退縮と発生・増殖・進展の二極化規定因子か?
Project/Area Number |
19390449
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜山 英三 Hiroshima University, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 准教授 (90309352)
檜山 桂子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (60253069)
山岡 裕明 広島大学, 病院, 講師 (90311810)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 / マイクロアレイ / 小児癌 / 幹細胞 |
Research Abstract |
病理分類と予後の判明している神経芽腫のうち、初代培養にて腫瘍細胞のみ選別しえた51検体と樹立株11株と、これらが由来した腫瘍の凍結保存検体で解析を行った。 神経芽腫培養細胞でのがん幹細胞の検討:初代培養細胞を用いて、human telomerase reverse transcriptase発現と表面抗原CD133を指標に、幹細胞分画を7株で確認した。これらの細胞株全株がソフトアガーでコロニーを形成し、免疫不全マウス(NOD/SCIDマウス)で10^4個接種にて腫瘍を形成した。CD133, nestin, c-kit発現を解析し、他の細胞株との差異から幹細胞とprogenitor cellさらに分化細胞の分別を行い、幹細胞の豊富な細胞分画からDNA、 RNAを抽出した。 網羅的遺伝子解析:予後良好で初代培養株が分化した正常幹細胞由来の腫瘍と、細胞株が樹立された予後不良な腫瘍と、各々約41、10腫瘍を用いて、遺伝子変化、遺伝子発現を、SNPsアレイと発現解析アレイにて検索した。この結果、前者の腫瘍は、染色体数の変化はあるものの増幅、欠失はまれで、一方がん幹細胞由来腫瘍は、一部領域の増幅、欠失を認め、その領域の遺伝子発現に変化を認めた。また、16腫瘍をmicroRNA解析用アレイで解析し、6腫瘍をプロモターアレイでメチル化解析し、がん幹細胞由来の腫瘍では特異的に発現しているmicroRNAを6種見出し、プロモターのメチル化が高度に進んでいる領域を同定した。microRNAはそのターゲット遺伝子、遺伝子異常のある領域やメチル化された領域の遺伝子について、専用ソフトでネットワーク解析を行ない、予後と関連して発現が上昇あるいは低下している遺伝子を検討中で、これらからがん幹細胞を有する腫瘍の発症、悪性度に関与している特異的な遺伝子を判別し、本腫瘍の新たな分子診断法を確立する予定である。
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Research Products
(33 results)