2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390455
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
貴志 和生 Keio University, 医学部, 講師 (40224919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 龍夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095633)
久保田 義顕 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50348687)
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20233760)
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Keywords | 皮膚 / 再生 / 付属器 / 細胞 |
Research Abstract |
これまでの研究でマウスでは胎仔の真皮細胞を用いることで成獣の環境下でも皮膚を再生させることは可能であったので、胎仔真皮組織の中で皮膚を再生させる細胞を、さらに発現している膜表面マーカーを基に絞り込むことと、ヒトで皮膚を再生しうる細胞の分離を行うことを目的とした。形成外科手術の際、生じた余剰皮膚より患者了解のもと、これまでのマウスで皮膚再生能が存在した膜表面マーカーと同様の膜表面蛋白に対する抗体を用いて,FACSを用いて分離を行った。その後、scid mouse背部皮膚全層欠損創に、分離した細胞とマウス胎児表皮とともに移植を行い、皮膚付属器を有する皮膚が再生される組み合わせを探究した。 マウスの胎仔の場合は、十分な細胞数を得ることができ、またその後の細胞増殖も可能であったが、ヒト真皮組織からは候補となった膜表面マーカーの組み合わせで、細胞の分離は可能であったが、その後の増殖の過程で十分な細胞数を得ることは困難であった。また、通常の2次元培養では、in vivoで発現していた膜表面マーカーが消失した。そこで、培養方法を変化させ、線維芽細胞を非接着培養で3次元的に培養を行うことを行うと、候補となった膜表面マーカーの発現を増強させることができ、また毛包の再生をマウスの表皮細胞との組みあわせで可能となった。しかし、毛包再生効率はマウス真皮細胞を基に移植を行ったものに比べ悪く、細胞培養期間あるいは培養方法の更なる検討が必要と思われた。
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