2007 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞のトランスサイトーシスによる骨代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
19390476
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
宇田川 信之 Matsumoto Dental University, 歯学部, 教授 (70245801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90329475)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (00360222)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
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Keywords | 破骨細胞 / トランスサイトーシス / VGLUT1 / グルタミン酸 / 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究課題は、破骨細胞からL-グルタミン酸がトランスサイトーシス経路を介して分泌され、オートクライン的に骨吸収を抑制するという知見に基づいて策定されたものであり、平成19年度の科学研究費補助金により以下のことを明らかにした。 1.トランスサイトーシスの分子基盤の解明 トランスサイトーシスによるL-グルタミン酸分泌に対するプロテインキナーゼA及びC(PKA,PKC)の阻害剤の効果を調べた。PKC阻害剤は、完全に阻害したが、PKA阻害剤はほとんど阻害効果を示さなかった。このことから、トランスサイトーシスは、カルシウム、PKC、cAMPに依存的でPKAに非依存的な経路により起こることが示唆された。マイクロアレイによる開口放出関連タンパク質の網羅的な解析については次年度に行う。 2.VGLUT1ノックアウト(VGLUT1 KO)マウスの骨及び骨代謝についての解析 8週齢及び16週齢の野生型及びVGLUT1 KOマウスについて骨形態計測、マイクロCTによる骨量測定を行った。8週齢マウスについては血清骨代謝パラメーターについても測定した。8週齢マウスでは、骨吸収パラメーターであるTRACP5bと骨形成パラメーターであるALPがVGLUT1 KOマウスで共に上昇していた。骨形態計測でも8週齢では、骨形成速度、骨吸収速度ともにVGLUTl KOマウスで増加しており、骨代謝回転が亢進していることが明らかになった。しかし、16週齢においては、骨吸収速度、骨形成速度共に野生型及びVGLUT1 KOマウスで有意差が認められなかった。骨量については、8週齢では有意差がなく、16週齢では、VGLUT1 KOマウスで10〜15%程度低下していた。VGLUT1 KOマウスを用いた卵巣摘出試験及び炎症性骨吸収試験については、次年度に行う。
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Research Products
(5 results)