2008 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞のトランスサイトーシスによる骨代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
19390476
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
宇田川 信之 Matsumoto Dental University, 歯学部, 教授 (70245801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
溝口 俊英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90329475)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
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Keywords | 破骨細胞 / トランスサイトーシス / VGLUT1 / グルタミン酸 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
本研究課題は、破骨細胞からレグルタミン酸がトランスサイトーシス経路を介して分泌され、オートクライン的に骨吸収を抑制するという知見に基づいて策定されたものであり、平成20年度の科学研究費補助金により以下のことを明らかにした。 (1)VGLUT1ノックアウト(VGLUT1 KO)マウスの骨及び骨代謝についての解析 16週齢のVGLUT1 KOマウスで骨量が減少する傾向が認められたため、計測する個体数を増やした。マイクロCTによる骨量測定を行った結果、有意に骨量が減少していることが確かめられた。 (2)炎症性モデルにおけるVGLUT1KOマウスの骨及び骨代謝についての解析 関節に炎症を起こすモデルである、Tumor Necrosis Factor( TNF)-αトランスジェニック(Tg)マゥスと掛け合わせ、炎症とそれに伴う骨破壊に対するVGLUT1の影響を調べた。TNF-αTgマウスは、12週齢頃から、関節の腫脹が見られ、16週齢では関節の変形も認められた。VGLUT1KOでかつTNF-αTgであるマウスでも、関節の腫脹と変形は同程度に認められ、VGLUT1の有無は、炎症による腫脹には影響を与えないことが示唆された。現在、これらのマウスの骨を解析中である。 (3)L-グルタミン酸による骨吸収抑制効果の直接的評価 骨吸収活性を測定する際に用いられる培地には、高濃度(約500μM)のL-グルタミン酸が含まれており、L-グルタミン酸の骨吸収抑制効果は、L-グルタミン酸受容体の阻害剤を用いた間接的な知見であった。培地の組成を工夫することで、L-グルタミン酸を含まない培地で骨吸収活性を評価する系を確立し、L-グルタミン酸に、骨吸収活性を40%程度抑制する作用があることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)