2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390483
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹重 文雄 Osaka University, 歯学部附属病院, 教授 (60206969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 行晃 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90303982)
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50192589)
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Keywords | 赤外線サーモグラフィ / 歯根破折 / VibroIR法 / 歯の亀裂 / 歯根破折検出法 |
Research Abstract |
19年度は、歯根部分破折モデルの作成および赤外線サーモグラフィによる破折検出手法の検討のため、1.歯根根管壁への微少損傷(破折起始点)の作成、2.歯根部分破折モデルの作成、3.赤外線サーモグラフィによる部分破折(予亀裂)の検出、を計画した。1.、3.については年度内に予定通り実施できたが、2.は亀裂停止治具の予備装置にて、暫定的なモデルを作成するにとどまっていたため、平成20年8月末日までの繰り越し申請を行った。 期間内に歯根の把持方法などに改良を重ねた結果、亀裂停止治具と作業台を作成し、歯根の長さ、太さ、湾曲度が平均的でない場合にもほぼ対応できる装置にて予定の部位に亀裂を導入することができた。さらに、本装置にて作成した破折モデルを用いて、歯科用超音波治療器を用い、超音波機器出力(w)を変化させ、根管壁に微小振動を与えて亀裂面に生じた摩擦熱を赤外線カメラで記録後、赤外線サーモグラフィ解析を行った。実験は室温37℃で行い、超音波スケーラー出力を0.43W〜1.48Wの範囲で変動させて亀裂検出に要した時間をそれぞれ計測した。その結果、出力0.63W以下では検出に10秒以上を要し、0.43Wではほとんど検出不能であること。また、0.89W以上では、ほぼ10秒以下で亀裂の検出が可能であり、1.18Wまでは出力が上昇するにつれ、亀裂検出時間は短縮する傾向にあったが、出力が1.18Wを越えると検出時間に大きな差はなくなった。以上のように破折モデルの作成が容易になったことから、VibroIR法を用いた摩擦熱を赤外線サーモグラフィによって計測することで、歯根根管壁に生じた部分亀裂の検出が可能であることが確認できた。
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