2008 Fiscal Year Annual Research Report
結晶配向調節により成長因子群の吸着を再構成し得る生体活性OCP骨再生材料の開発
Project/Area Number |
19390490
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
上家 潤一 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10400269)
穴田 貴久 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30398466)
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Keywords | 生体材料 / リン酸オクタカルシウム(OCP) / 骨再生 / 結晶配向 / 成長因子 |
Research Abstract |
平成20年度は、異方向性を高めるOCPの結晶成長条件の確立の試み、およびHAへ吸着するラット血清中成分のタンパク質のLC-MS-MSによる定性的同定を行った。OCPの合成条件(反応速度、Caおよびリン酸の母液濃度、すなわちOCPに関する過飽和度)を幅広い条件で検討し、OCPの結晶のC軸方向に長大に成長する過飽和領域を絞り込んだ。また、これらの異なる長さを持つOCPをマウス頭蓋冠の自己修復しない臨界骨欠損に埋入し、一部、骨再生能の検討を開始した。次に、従来のOCPと医療材料HAセラミックスとの間で、ラット血清中成分のタンパク質吸着を検討したところ、定性的に血清中成分から特異的に吸着してくるタンパク質群が存在すること、また、タンパク質の機能のカタログ化から、OCPの骨再生に関与する可能性のあるタンパク質群の絞込みを行った。しかしながら、吸着タンパク質の定量解析は検討中であり、OCPとHAとの問で定性的に認められた吸着タンパク質群の違いに生物学的な意義(骨芽細胞等に影響を及ぼす因子となり得るのか否か)については確立できていない。 以上の検討を通じ、次年度は、結晶のC軸方向へ長大に成長したOCP結晶へ吸着するタンパク質のLC-MS-MSによる定量解析、また、他の代表的な骨代替材料であり吸収性セラミックスであるB-リン酸三カルシウム(B-TCP)へのタンパク質吸着も比較で検討する。また、培養骨芽細胞による発現タンパク質のRT-PCRによる検討と照らし合わせ、OCPに吸着するタンパク質とOCPの骨再生能のメカニズム、特に骨のリモデリングに関わる因子の解析を行う。
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