2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390497
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
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Keywords | 骨再生 / 幹細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
本年度は移植細胞として用いるMSCの遺伝子レベルでの転写因子の解析、MSCと移植時のキャリアーとの相互関係、そしてMSCの骨分化促進法等についての研究を行った。 1.MSCの遺伝子レベルでの転写因子の解析を行い、9つの転写因子のノックダウンによってMSCの未分化マーカーが減少することを見出した(Genes Cells, 14,407-424, 2009)。つまりこれらの9つの転写因子がMSCの未分化状態を維持するために必要であることが分かった。さらにMSCが骨分化する際に、21個の転写因子が関わることをDNAマイクロアレイ解析とリアルタイムPCR法により解析した。これらの遺伝子を調節することで、MSCの骨分化を促進することが出来ることが考えられ、これらの遺伝子の発現状態を調べることで、より早期に移植用のMSCの骨分化能を確認することが出来るなどの将来的利用が期待される。 2.採取培養した細胞の生存状態と骨形成能を向上するため、移植細胞のためのキャリアーについて検討した。F344ラットの大腿骨髄より採取培養した間葉系幹細胞を自己血から作製した自己フィブリンと混和し、多孔性のβ-TCP、比較的緻密な炭酸アパタイト顆粒と共にラットの頭頂骨へ移植した。移植後2, 4週後に頭頂骨を切り出し、脱灰標本を作製してH&E染色およびTRAP染色により骨形成能を評価した。その結果、多孔性のβ-TCP群では緻密な炭酸アパタイト顆粒群よりもTRAP染色性が高く、破骨細胞の浸潤が著しいことが判明した。つまり多孔質の担体の方がレシピエントの細胞浸潤が高く、新たな骨形成に有利であることが示唆された。 3.MSCの安価な骨分化促進法について検討し、植物レクチンのコンカナバリンAがMSCの骨分化を促進することが判明し、その効果はオートクラインあるいはパラクライン的なBMP-4の細胞層への蓄積によるものであることが示唆された(lnt JArt Org, 31, 708-715, 2008)。
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Research Products
(9 results)