2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390497
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
貞森 紳丞 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40187167)
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Keywords | 再生医療 / 骨増生 / 歯槽骨再生 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
本年度は顎骨から幹細胞を確実に採取する方法を検討した。その結果,イヌの顎骨採取から4時間~24時間後に播種するよりも直後に播種することが接着細胞数を増加させた。2%の低酸素状態は大気圧に比較して接着細胞数を低下させた。アスコルビン酸やPDGFの添加は接着細胞数を増加させた。有核細胞の播種密度は5×10^4/cm^2で最も接着細胞数が多くなった。また抗凝固剤としてのヘパリンナトリウムは通常で使用する濃度範囲では接着細胞数に影響しなかった。また骨髄液を採取して4時間後に細胞を播種すると接着細胞はほとんど得られなかった。 また間葉系幹細胞が骨分化時に特異的に発現する遺伝子として,ZHX3について検討したところ,ZHX3はRUNX2の下流で,Osterixの上流に作用する転写因子であることも示唆された(論文準備中)。一方,CD166で標識して分離した細胞群はたとえ歯肉の線維芽細胞でも高い骨分化能を示すことが分かり,「誘導性間葉系幹細胞およびその作製方法」として特許を出願した(特願2009-115378)。 さらに骨増生のための幹細包の移植条件を検討するため,骨増生に適したスキャフォールドの候補として,ハイドロキシアパタイトとβ-リン酸三カルシウムについて検討した。その結果,in vitroでβ-リン酸三カルシウムは骨分化マーカー遺伝子発現を早くから亢進させたが,ハイドロキシアパタイトではそのような効果は認められなかった。さらにこれらのスキャフォールドを同じ部位のイヌ顎骨に間葉系幹細胞と同時に移植した場合,β-リン酸三カルシウムの周囲ほうがハイドロキシアパタイトよりも明らかに早く骨を形成したことから,in vivoでもβ-リン酸三カルシウムが間葉系幹細胞による骨形成を促進することが示唆された。
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Research Products
(6 results)