2007 Fiscal Year Annual Research Report
ディボンディング時に接着強度を低下させることができる矯正ブラケット接着システム
Project/Area Number |
19390499
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
荒木 吉馬 Iwate Medical University, 歯学部, 教授 (20005036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 廣行 若手医科大学, 歯学部, 教授 (00048563)
平 雅之 若手医科大学, 歯学部, 准教授 (60179398)
飯塚 康之 若手医科大学, 歯学部, 助教 (80311934)
佐々木 かおり 若手医科大学, 歯学部, 助教 (00364373)
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Keywords | 歯列矯正 / 接着 / ディボンデング / 接着耐久性 / プラスアイオノマーセメント |
Research Abstract |
本計画は、歯列矯正治療におけるブラットと歯質との接着において、治療期間中高い接着強度を維持し、治療期間が過ぎて後に接着強度を低下させて、歯質を損傷することなくブラケットを着脱できる新しい接着システムを開発しようとするものである。本年度は開発原理の妥当性を検証しつつ、実用的なシステム設計を目指した。その成果の概要は以下の通りである。接着性材料として耐水性がそれほど高くないレジン添加型のグラスアイオノマーセメントを用い、ステンレス棒の突合せ接着を行った。その接着強度は、乾燥下においては、1日後32MPa、1週後33MPa、4週後43MPaと上昇するが、1日、1週および4週間乾燥下に置いた後、それぞれを水中に浸漬するといずれも1週間以内に15MPa以下に低下した。つまり、接着層に水分を浸透させなければ接着強度が維持できることが確認できた。そこで、接着層周囲に接着性をもたない光硬化型のレジン膜を形成させ、さらにその上に撥水性物質を塗布して接着層に水分の浸透を抑制した試験片を1日、1週、4週間水中に浸漬した後の接着強度を調べた。その結果、1日、1週、4週後の接着強度は、いずれも28MPaとほぼ一定であった。そして、各試験片をレジン膜を除去した後に水中に浸漬すると、それぞれ1週間で15MPa以下に低下した。これにより、開発原理の妥当性が検証されるとともに、実用化のために材料に求められる要件として、ブラケットと歯質に接着する材料で耐水性が高くないものを接着材とし、接着層への水分の浸透を防ぐ防水膜材で、比較的容易に剥離できる性状の材料であることなどが明示された。
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