2009 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素状態を反映する新しいPET診断による口腔癌治療戦略
Project/Area Number |
19390506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北川 善政 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
玉木 長艮 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
大伏 正幸 放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70399830)
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Keywords | 分子イメージング / 核医学(PET,SPECT) / FMISO / 低酸素 / 治療抵抗性 / 口腔癌 / 臨床試験 / 動物モデル |
Research Abstract |
【具体的内容】I.動物実験:^<99m>Tcや^<123>Iを細胞内に取り込むヒトNa+/I-共輸送蛋白(hNIS)で標識した癌細胞株を樹立し、ヌードマウスの上肢および下肢に皮下移植して、^<99m>Tcを静注後に小動物用SPECT/CT装置を用いて腫瘍をイメージングすることに成功した。pcDNA3-hNISをヒト大腸癌細胞株HCT116に導入して安定発現株を作製し、うち3系統(A、B、E)と陰性対照(N)を、16匹のヌードマウスの四肢へ皮下移植した。8mm以上の腫瘍の形成率と形成日数を調べ、小動物用SPECT/CTシステムFX(Gamma Medica-Ideas)を用いて^<99m>TcO_4(Tc)SPECTを行った。腫瘍形成率は、系統Aが69%、Bが63%、Eが94%、対照Nが88%(p=NS)、形成日数は、Aが36±9日、Bが24±8、Eが26±12日、Nが18±12日(A対Nがp<0.05、他はp=NS)、腫瘍Tc集積(%ID/g)は、Aが25.7±8.3、Bが35.9±12.3、Eが11.6±6.4、Nが2.4±0.9だった(A対NとB対Nがp<0.001、B対Eがp<0.01、他はp=NS腫瘍形成能の低下がなくTc集積が最も高い系統Bが最適な安定発現株と考えられた。この細胞株を用いれば、将来マウス生体内で癌転移の過程を追跡できる可能性があり、癌転移の分子機構解明に役立つと期待される。II.クリニカルPET:癌の低酸素状態を評価するため、現在まで5例に^<18>FMISO-PETを臨床応用している。 【意義・重要性】I.動物実験:FMISO-PETが癌の低酸素領域に特異的に集積するエビデンスを確立するための実験腫瘍モデルが作製できた。II.クリニカルPET:FMISO-PETの症例を蓄積して低酸素状態と治療抵抗性との関係を明らかにしていく予定である。将来的には、放射線化学療法の感受性や腫瘍残存の有無を予測することで、手術回避や縮小手術による形態・機能の温存が可能になり、口腔癌患者のQOLの向上につながる研究成果と考えている。
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Research Products
(13 results)