2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生制御技術の複合的応用による新規リビングマテリアルの開発
Project/Area Number |
19390510
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 博之 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任准教授 (10241994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30343122)
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
大庭 誠 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20396716)
米原 啓之 日本大学, 歯学部, 教授 (00251299)
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Keywords | 血管新生 / マテリアル / 塩基性線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
(1)骨形成促進マテリアルの開発 本研究で開発した骨形成促進用「血管新生因子徐放コラーゲン・ゲル」において、コラーゲン濃度、架橋剤濃度、架橋密度を様々な条件に振ってプロトタイプを作成し、ラット埋植モデルを用いた評価によって、血管新生誘導のための最適条件を明らかにした。また、血管新生因子であるbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)をゲルに固定化することにより、血管新生効果が強化されることも明らかにした。 (2)皮膚・軟部組織治癒促進マテリアルの開発 本研究で開発した創傷治癒促進用マテリアルの治療効果をマウス皮膚欠損モデルで検討した。創傷治癒が不良であるdb/dbマウスの背部に作成した皮膚欠損にマテリアルを貼付し、3,7,14日後における皮膚欠損サイズと同部の組織所見を解析した。結果は、マテリアルを貼付しない場合と比べ、有意な欠損サイズの縮小と組織学的な創傷治癒傾向を認めた。 (3)栄養血管誘導能を備えた次世代型骨再生用スカフォールドの開発 骨形成促進用「血管新生因子徐放コラーゲン・ゲル」の人工骨への血管誘導能とそれによる骨再生促進効果をラット骨欠損モデルで検討した。ラットモデルは、大腿骨骨幹部の緻密骨を2mm幅で長軸方向に10mm除去して作成した。緻密骨除去によって露出した髄腔内の海綿骨も除去し、同部に人工骨とゲル・マテリアルの混合体をインプラントし(実験群)、7,14日後における血管誘導能と骨再生を組織学的に検討した。対照群では、ゲルを用いず人工骨のみをインプラントした。結果は、インプラント後7日目において、実験群では人工骨周囲に豊富な血管網の形成が認められたのに対し、対照群ではフィブリン沈着を認めるのみであった。また、インプラント後14日目においては、実験群では人工骨の周囲は完全に器質化し部分的に骨基質化も認められたのに対し、対照群では部分的な器質化を認めるのみであった。
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Research Products
(3 results)