2007 Fiscal Year Annual Research Report
唾液線組織再生メカニズムの解明と体性幹細胞の移植による再生
Project/Area Number |
19390512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
各務 秀明 The University of Tokyo, 医科学研究所, 客員准教授 (80242866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 医学系研究科研究院, 教授 (00151803)
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (70361623)
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Keywords | 唾液腺 / 再生 / 細胞培養 / 組織工学 / 遺伝子解析 / DNAマイクロアレイ / 細胞療法 / ディファレンシャルディスプレイ |
Research Abstract |
腺組織に代表される実質臓器の再生はいまだ困難である。複雑な臓器の再生にとつてより現実的な選択は,損傷を受けた組織に存在する再生力を利用し,組織再生の過程を促進することによる治療と考えている。この場合,既存の導管系や神経支配を含む構造が利用可能なため有利である。現在までに,唾液腺組織の再生過程を促進するための研究が行われているが,実際に機能改善にまで結びついているのは,細胞移植による方法である。しかしながら,現在用いられている体性幹細胞,あるいは培養唾液腺細胞では,再生能力(あるいは可塑性)が不十分であることが明らかとなつてきた。したがって,本研究では唾液腺を構成するすべての細胞種へと分化可能な幹細胞を同定し,増幅させるための検討を行なうこととした。第1のプロジェクトとして,可塑性の高い体性幹細胞を含む分画として知られている骨髄由来細胞を用いて,その中に唾液腺細胞への分化能を持つ細胞が存在する可能性について,遺伝子改変動物を用いた検証を行なっている。これまで,放射線照射による唾液腺萎縮モデルを作製し,アクチンプロモーター下にGFP遺伝子を持つマウス由来の骨髄単核球細胞を移植して,4週後までの経過を観察した。GFP陽性細胞は4週目まで唾液腺組織の主に間質中に存在していたが,この段階では導管や腺房への明らかな分化は確認されなかった。今後経過観察期間を延ばし,実質組織への分化について引き続き検討する予定である。第2のプロジェクトは,唾液腺中に含まれる可塑性の高い幹細胞分画の抽出と増幅である。本年度は,唾液腺中に含まれる幹細胞分画を濃縮し,維持させるための培養法に関する検討を行なった。これまで用いられてきた培養法では,唾液腺上皮細胞の増殖が得られるものの,分化の方向へと誘導することが明らかとなった。したがって,本研究では,無血清培地に着目し,増殖因子などの最適化を行なった。
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Research Products
(2 results)