2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390513
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日井 昇平 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 尚知 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70343150)
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50323689)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
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Keywords | 骨補填材 / 骨 / 再生 / シンバスタチン / α-TCP / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
骨欠損に対する治療や骨増大法のゴールドスタンダードとして、自家骨移植が広くおこなわれている。自家骨移植は、採取骨量に限りがあること、採取部位に炎症を惹起することが問題である。自家骨に代わりに種々のリン酸カルシウム系の骨補填材が使用されているが、歯科領域の様々な骨欠損において、どの骨補填材が適しているかについては明らかではない。さらに、現在使用されている骨補填材は、自家骨の完全な代替材料としては力不足である。本研究の目的はこれらの問題点を解決することである。本年年度は以下の実験結果を得た。 (1) 直径10-15μmの繊維性ハイドロキシアパタイト材料(HF)を作成した。ラットの骨髄間葉系細胞はHFに付着し増殖し、骨芽細胞様細胞に分化した。ウサギの脛骨に骨欠損部を作成し、HFを填入した。HFを足場として骨が形成される一方で、HFは次第に吸収されて消失し、8週後に骨欠損部は完全に修復した。HFは細胞の足場として機能し、骨組織の再生の吸収性足場材料として適していることが示唆された。ラット下顎切歯を抜歯し、抜歯窩にHFを填入した。ウサギの脛骨の骨欠損部に適用した場合と同様に、HFを足場として骨が形成される一方で、HFは次第に吸収されて消失した。HFは様々な形態の骨欠損への適用が可能であり、抜歯窩へ適用できる吸収性の骨補填材としての可能性が示唆された。 (2) シンバスタチンを含むα-TCP顆粒の臨床試験を継続しておこなった。11症例(インプラント除去後の骨欠損、抜歯後の治癒不全、抜歯直後の抜歯窩への適用)中の7症例に、インプラントを埋入し最終補綴物を装着したが、臨床的に問題となる症状は観察されていない。この補填材はインプラント埋入部位へ適用できる骨と置換する吸収性の骨補填材としての臨床応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)