2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収の分子遺伝子解析とプロピオン酸菌発酵物質を用いた骨吸収抑制法の創出
Project/Area Number |
19390516
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 利夫 Aichi Gakuin University, 歯学部, 客員教授 (10116048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 克章 岡山大学病院, 口腔外科(再建系), 講師 (60304317)
平田 あずみ 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40263587)
松村 達志 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70432648)
南 克浩 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70346162)
藤原 久美子 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤助教 (60404737)
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Keywords | 骨粗鬆症 / ビフィズス菌 / プロピオン酸 / DHNA / 骨免疫 |
Research Abstract |
免疫抑制剤FK506を連日投与することによって発症する骨粗鬆症モデルマウスに対して、プロピオン酸菌発酵産物から同定された新規なビフィズス菌増殖因子DHNAの骨吸収改善効果について基礎的研究を行い、以下の研究成果が得られた。 1.免疫抑制剤FK506を投与することにより動物実験で骨粗鬆症モデルを作成することができた。 2.免疫抑制剤による骨粗鬆症の発症は全身および骨局所のT細胞が減少し、B細胞が増加するという免疫系細胞が関与していることが明らかになった。 3.この骨粗鬆症モデルにプロピオン酸菌(Propionibacterium freudenreichii Et-3)発酵産物(PC)を投与すると、骨免疫系が関与する破骨細胞の分化抑制により骨粗霧症を改善させることを明らかにした。 4.マイクロアレイを用いた網羅的解析法を用いて、FK506投与によりup regulatedあるいはdoun regulatedされた遺伝子を検索した結果、2倍以上の発現の差が認められたのは、2487個の遺伝子であり、特に免疫と骨に関連性の深い遺伝子が認められた。 5.ビタミンK2と同じナフトキノン骨格を有し、プロピオン酸菌発酵産物から同定された新規なビフィズス菌増殖因子1,4-dihydroxy-2-naphthoic acid (DHNA)をFK506による骨粗鬆症モデルに単独投与すると、PCと同様に骨吸収抑制効果を示すことを明らかにし、骨免役の観点から、さらにその骨吸収抑制効果の機序を検討した。 6.DHNAはFK506による骨密度の減少を改善した。組織学的観察では骨組織のB細胞、破骨細胞の増加を抑制していた。また、B細胞が破骨細胞に近接する像が観察され、破骨細胞の分化にB細胞の関与が示唆された。 7.DHNAは全身的には腸間リンパ節のB細胞とT細胞の比率ではB細胞の増加を抑制していた。 8.生化学的検討においてはDHNAは血中のTRAP濃度、RANKL濃度の上昇を抑制していた。 9.更にDHNAはFK506による大腸粘膜の上皮層の剥離、表皮の壊死、萎縮を修復することが明らかになった。 10.DHNA投与による腎障害、大腸炎の発生や体重の減少などの明らかな副作用は認められなかった。 以上の事柄からDHNAは骨吸収掬制物質とし高い有用性があることが示された。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Osteogenic potential of grafted periosteum and bone marrow2008
Author(s)
T. Ueno, A. Hirata, T. Kagawa, M. Wakita, M. Kanou, N. Shirasu, M. Sawaki, M. Moritani, Y. Yamachika, M. Mizukawa, T. Sugahara
Organizer
19th Congress of the European Association for Cranio-Maxillofacial Surgery
Place of Presentation
Bologna, Italy
Year and Date
20080909-12