2010 Fiscal Year Annual Research Report
遊離組織移植の生着率向上のための血管吻合手技と管理法の確立
Project/Area Number |
19390519
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹栗 正明 九州大学, 大学病院, 准助教 (00225898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究科, 教授 (60189040)
磯貝 典孝 近畿大学, 医学研究科, 教授 (90203067)
光安 岳志 九州大学, 大学病院, 助教 (00380519)
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Keywords | 遊離組織移植 / 微小血管吻合 / 皮弁血流 |
Research Abstract |
1. ラット遊離皮弁の虚血時間と血流障害発生との関連についての検討 ラット広背筋皮弁および外腹斜筋皮弁を用い、皮弁切離後の虚血時間の違いが、吻合後の血流障害発生におよぼす影響について検討した。【材料・方法】ラット1匹から左右の広背筋皮弁、腹直筋皮弁を使用した。5匹のラットを使用し広背筋皮弁10皮弁、腹直筋皮弁10皮弁を用いた。同一ラットの同一皮弁で左側を虚血時間2時間群、右側を4時間群として血管吻合後の血流障害発生の有無を比較した。【結果】血流障害発生は広背筋皮弁2時間群0/5、腹直筋皮弁2時間群1/4であった。一方広背筋皮弁4時間群は4/5、腹直筋皮弁4/5で4時間群で血流障害を認めたものは吻合直後から血流が再開しなかった。 2. 皮弁のヘパリン処理の血流障害発生抑制効果についての検討 【材料・方法】上記実験と同様に5匹のラットを使用し広背筋皮弁10皮弁、腹直筋皮弁10皮弁を用いた。皮弁切離後に4時間の虚血時間を設け、皮弁切離と同時に皮弁内をヘパリで洗い、皮弁内にヘパリンを満たした群をヘパリン処理群とした。同一ラットの同一皮弁で左側をヘパリン処理群、右側を未処理群として血管吻合後の血流障害発生の有無を比較した。【結果】血流障害の発生はヘパリン処理群では広背筋皮弁1/5、腹直筋皮弁2/5であり、腹直筋皮弁では1/5、0/5であった。【まとめ】皮弁切離後の虚血時間は4時間になると血流障害発生頻度が高くなるが、切離後のヘパリン処理は血流障害発生を抑制できた。
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Research Products
(1 results)