2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における癌関連遺伝子のスフライシング異常の検討
Project/Area Number |
19390521
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 一正 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00117516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上川 善昭 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30332901)
坂元 亮一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60452950)
浜田 倫史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00444894)
上川 泰子 (簗瀬 泰子) 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教務職員 (70253903)
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Keywords | スプライシング異常 / 口腔癌 / 口腔含嗽液 / MUC1 / MUC4 / RT-PCR |
Research Abstract |
悪性腫瘍を含むヒト疾患において、いくつかの蛋白質は異常な選択的スプライシングによってその機能が変化している。今回われわれは、口腔癌における癌関連遺伝子のスプライシング異常の検出を行い、臨床病理学的事項との関連や予後に対する影響について検討し、有用な腫瘍分子マーカーを確立することを目的として本研究を行った。 本年は平成19年度に引き続き、鹿児島大学内の倫理委員会の承認のうえ患者からのサンプル採取を行った。インフォームドコンセントを得られた25例の口腔癌症例および3例の前癌病変症例からわれわれが確立したプロトコールを用いてのべ87個の含嗽液を採取した(本プロトコールに関しては第26回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会で報告した)。口腔癌の手術症例に関してはすでに約20例の患者から術前と術後に含嗽液を採取し、サンプルは以後の実験まで-80℃にて保存した。 また、臨床サンプルでの実験を行う前に培養細胞株を用いて、MUC1遺伝子のスプライシング異常を検出標的として予備実験を行った。なお、MUC1遺伝子スプライシング異常を検出する前段階として、口腔扁平上皮癌におけるムチン型糖タンパク質(MUC1、MUC4)発現の検討を免疫組織化学染色を用いて行ったところ、これらの遺伝子産物が高発現している症例群では頸部リンパ節転移の確率が上昇し予後低下の傾向があることがわかった(この結果は第62回NPO法人日本口腔科学会学術集会にて報告した)。現在、数種類の口腔癌細胞株を培養・採取後キットを用いてRNAを抽出し-80℃にて凍結保存後通法に従い逆転写およびPCRを行い、MUC1遺伝子の各バリアントに対するプライマーセットの至適なRT-PCRの条件を検討している。今後は口腔扁平上皮について癌や基礎的研究で報告のある癌関連遺伝子を用い、網羅的に検討する予定である。
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Research Products
(1 results)