2007 Fiscal Year Annual Research Report
老化に伴う水チャネルの分子基盤構築の破綻と咀嚼・嚥下能の低下及びその予防と改善法
Project/Area Number |
19390540
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石川 康子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイサイエンス研究部, 准教授 (40144985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 良子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイサイエンス研究部, 助教 (80127844)
岡村 航 大阪大学, 大学院・歯学研究科, COE研究員 (50437381)
庄野 正行 徳島大学, 大学院・ヘルスバイサイエンス研究部, 技術職員 (60380101)
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Keywords | アクアポリン / ラフト / 老化 / 水チャネル / 咀嚼 / 嚥下 / 細胞内情報伝達系 / 基盤分子 |
Research Abstract |
口腔は運動系機能と感覚系機能とが相互に影響を及ぼしあって統合され、咀囑、嚥下、発声のみならず味覚や温覚の受容など高度で複雑な機能を営む器官である。この二つの機能の統合に中心的役割を果たしているのが唾液である。唾液の構成成分の99%は水であることから、唾液腺からの水分泌は口腔機能に極めて重要である。一方、我が国をはじめ先進諸国は急速な勢いで超高齢化社会を迎えているが、老いてもQOLの高い健全な社会生活を営むには、高齢者も健全な咀嚼・嚥下機能を保持していることが、極めて重要である。本研究では、水を選択的に通す水輸送蛋白質である水チャネル・アクアポリン(AQP)5との関連で、高齢による咀嚼・嚥下機能の低下機序と予防および改善法を開発することを目的としている。 1、成熟及び老齢ラット耳下腺・顎下腺・舌の小唾液腺におけるAQP5や複合体分子の細胞内局在と刺激に伴う局在変化と老性変化の組織学的解析では、AQP5が加齢に伴い管腔膜への移動が減り、基底膜への移動が増加することを認めた。 2、成熟および老齢ラット耳下腺・顎下腺・舌の小唾液腺におけるAQP5や複合体分子の管腔膜、基底側膜、細胞内膜、ラフトにおける局在と神経刺激による変動と老性変化の生化学的解析では、無刺激時にラフト画分への蓄積が認められた。 3、神経刺激により管腔膜画分の量が減り、基底側膜画分の量が増加した。AQP5のグリコシル化が加齢に伴い減少した。 以上のことから、加齢に伴いAQP5のグリコシル化が減少することから、細胞が神経刺激を受容した時、AQP5が管腔膜へ移動せず、基底膜への移動が増加するものと推察された。無刺激時のラフトにおけるAQP5の蓄積は、AQP5の分解酵素との関連で研究を進めている。
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Research Products
(11 results)