2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390541
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)
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Keywords | 口腔フローラ / 網羅的解析 / T-RFLP / 口腔の健康 / 全身の健康 |
Research Abstract |
2007年に実施した疫学調査における口腔細菌叢の分析を継続するとともに、口腔疾患およひ全身の健康と口腔フローラとの関連性の解明を目的として、1998年と2007年の調査結果の比較による1998年調査群の後ろ向きコホート研究ならびに2007年群の横断研究による大規摸コホート研究開始のためのベースラインデータを整備した。 さらに、得られたデータベースの解析を効率よく勧める方向性を定めるため、小規模の集団における食生活と口腔疾患の関連性における調査を実施し、お茶をより多く摂取する者に歯周疾患が少ないことが明らかとなった。また、他の小集団において、唾液の細菌群から得られたDNAから16S rRNA遺伝子断片を増幅し、HaeIIIの消化断片をT-RFLP法で解析して、唾液中の細菌種の構成をクラスター分析したころ、歯周疾患に特異的な唾液細菌叢のパターンが明らかできた。とくに興味深い特徴としては歯周組織の健康な者の唾液中にはNeisseria, HaemophilusあるいはAggregatibacter属およびPorphyromonas属の細菌種が歯肉炎や歯周炎の多い他のクラスターに比較して優位であることであった。これらの結果から、健康を維持するための指標となる細菌叢を明確にすることができると考えられる。さらに、これらの研究結果を久山町研究の解析に応用することで、口腔細菌叢の分析結果を臨床診断として応用することが可能になると考えられる。
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