2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護実践の質向上を導く看護支援システム構築に関する研究
Project/Area Number |
19390550
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
黒田 裕子 北里大学, 看護学部, 教授 (90234616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上澤 悦子 北里大学, 看護学部, 准教授 (10317068)
林 みよ子 北里大学, 看護学部, 准教授 (50362380)
中山 栄純 北里大学, 看護学部, 講師 (70326081)
山田 紋子 北里大学, 看護学部, 講師 (70531242)
明神 哲也 北里大学, 看護学部, 講師 (00521428)
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Keywords | 電子カルテシステム / 看護支援システム / 看護師の思考過程 / 看護師の臨床判断能力 |
Research Abstract |
【はじめに】平成 22 年度は電子カルテの仕様を具体化するために2つの研究を行った。1つは臨床看護師がどのような視点で電子カルテから情報収集しているかを明らかにする質的研究であり、もう1つは看護師の看護診断正確性と看護師の自律性、直観力、CT能力との関係を量的に明らかにする調査である。 【方法】質的調査では、電子カルテのデモ画面を作成し、5年以上の臨床経験をもつ看護師6名に対して、実際の勤務開始を想定し情報収集を行ってもらった。対象者は、どのような意図で情報を収集しているのかを自発的に発話してもらいその会話を分析した。量的調査では、12 施設 187 名の看護師を対象とし、個人特性と上記4尺度について自記式質問紙調査を行った。 【結果】看護師の情報収集目的は、指示された業務に関することと、指示されていない業務に関することに大別できた。指示されていない業務に関する情報ニーズは対象者によって大きく異なっており、患者に対する関心の強さや自律した臨床判断能力が影響していることが示唆された。質問紙調査からは、看護師の自律性・直観力・クリティカルシンキング能力が臨床経験年数と有意に相関することが明らかとなったが、看護診断正確性はそれ以外の要因によることが示唆された。 【考察】現在、利用者同士の矛盾する要望によって、使いやすい電子カルテの実装が困難になっている。本研究では、どのような目的で電子カルテから情報収集を行っているか看護師の思考過程に着目し調査を行った。その結果、望ましい電子カルテの姿は、看護師の経験年数.臨床能力と業務に対する方向性によって異なることが明らかとなった。"1つの情報を多角的に表示する機能"は、高い情報ニーズを持つ利用者に必要であるが、現在の電子カルテでは部分的にしか実装されておらず、これらの知見によって作成した仕様書に基づいて電子カルテを設計することが今後必要である。
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Research Products
(5 results)