2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19401007
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中野 聡 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (00227852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20166979)
宮地 尚子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60261054)
林 博史 関東学院大学, 経済学部, 教授 (80180975)
永井 均 広島市立大学, 広島平和研究所, 講師 (40347620)
笠原 十九司 都留文科大学, 文学部, 教授 (80125814)
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Keywords | 歴史学 / 地域研究 / 政治学 / 社会系心理学 |
Research Abstract |
本共同研究は、第2次世界大戦末期の「マニラ戦」の「実像」と「記憶」を学際的・総合的に検討し、さらに収集史資料と研究成果を相互翻訳・発信することにより、日・比・米など関係諸国間で戦争の過去をめぐり「より質の高い対話と和解」を実現する一助となることを目的としている。研究初年度にあたる平成19年度は、(1)基礎的な資料収集、(2)共同研究のコーディネーションに重点をおいたが、NHK放映のドキュメンタリー「マニラ市街戦:焦土への一ケ月」(平成19年度文化庁芸術祭優秀賞受賞)の取材と制作に協力の機会を得たことから、(3)研究成果の社会還元を、予想よりも早く開始することができた。 具体的には、(1)について、中野、林、永井が米国立公文書館を中心として「マニラ戦」関連史料を収集し、あわせて中野は「マニラ戦」体験者のフィリピン人に対するオーラル・ヒストリー調査を実施した。(2)については、5月に打ち合わせ研究会議を実施し、70周年を迎えた「南京事件」との比較・相関研究が重要であるという観点から研究組織に笠原十九司氏を加える変更を行い(7月)、海外研究協力者としてハーバート・ビックス氏が加わった(9月)。(3)については、中野と林が制作協力したNHK「マニラ市街戦」が8月に放映され大きな反響を呼んだのを契機に、「南京事件」と「マニラ戦」をめぐる公開シンポジウムを日本(一橋大学、12月7日)およびフィリピン(アテネオ・デ・マニラ大学、3月18〜19日)で実施した。とくにフィリピンでのシンポジウムは両日のべ200名近い出席者を得て活発な討論が行われ、日中戦争初期と太平洋戦争終末期に位置するふたつの都市破壊・民間人大量死の問題の比較と相関関係の検討がきわめて重要であることが確認された。次年度以降は、(1)から(2)と(3)へと共同研究の重心を移動させ、さらに活発な研究交流と研究成果の社会還元を進めてゆくことをめざしている。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Battle for Manila: A Japanese View.2008
Author(s)
NAKANO Satoshi
Organizer
TRUTHS AND MEMORIES OF WORLD WAR II: THE NANJING MASSACRE AND THE BATTLE FOR MANILA
Place of Presentation
Ateneo de Manila Univer-sity, Quezon City, Philip-pines.
Year and Date
2008-03-18
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