2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19401013
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Research Institution | 有明教育芸術短期大学 |
Principal Investigator |
茂手木 潔子 有明教育芸術短期大学, 芸術教養学科, 教授 (30174345)
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Keywords | Morse Collection / Peabody Essex Museum / Japan Day by Day手稿 / 日本の楽器 / 音具 / 浮世絵の中の楽器 / Whyte Museum / Catharine Whyte |
Research Abstract |
○今年度の主な研究内容および成果は、以下のとおり。 1.平成19~20年収集のモースコレクション日本音楽資料の整理と分析を継続。 2.The Whyte Museum of The Canadian Rockies(Banff, Canada)にて、モースコレクションを音楽学の視点から初めて調査。 3.Whyte Museum館長と学芸員の招聘し、東洋音楽学会定例研究会で講演を実施。筆者の研究報告と同博物館におけるモースコレクションの紹介を行った。 4.国際交流基金ロンドン日本文化センターの招聘で、筆者が本研究結果を加えた内容で英語による2種類の講演(各回2時間)を実施。2日間の聴衆は約300人。 ○今年度は、当初の研究目的を次の点でほぼ達成できた。 1.PEM所蔵日本音楽関係資料の悉皆調査を予定通り終了。 調査の成果としては、『Japan Day by Day』の楽器や演奏場面の描画の一部が初版時に変更され、誤った描画で出版されていたことを発見、出版された活字版に未掲載の笏拍子や草笛など、伝統音具の描画も発見、コレクションリストが未整備で、詳細なリスト作成の必要性があることを確認。調査では所蔵不明の楽器や大きすぎて実測できず資料のみで調査した楽器も僅かにあるが目的は達成。 PEMの日本研究部門は平成21年3月に閉鎖され、コレクションに詳しい学芸員2人が解雇になり筆者の研究計画に不都合が出た点は残念。PEMのコレクションリスト整備は今年中に終了予定。 2.モースの孫娘Catharineのコレクションを所蔵するWhyte Museumで、ミニチュア楽器店などモースが持ち帰った楽器関係資料を確認。日本の楽器と共にチェロ・月琴も並び、19世紀中葉の日本の多様な音楽文化の証拠を確認した。また、モースの遺言状や来日時の新聞記事や手紙、キャサリンの日本滞在中の多くの手紙を発見。その手紙を第2の『Japan Day by Day』と位置付け現在活字に翻刻中。 3.MFAの北斎の浮世絵調査を基に、アサヒ・アートスクエア地域自然リサーチプログラムにて、北斎の描いた楽器について発表。PEM所蔵楽器の調査結果も紹介。
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Research Products
(7 results)