2007 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀後半における露清関係の変容と日本の北東アジア政策
Project/Area Number |
19401025
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
麓 慎一 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30261259)
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Keywords | 日露戦争 / ラムズドルフ / アレクセーエフ / ロシア / 北京条約 / 中国 / 満州 / プランソン |
Research Abstract |
本年度は、当該研究課題の初年であったため基本資料の所在状況の確認と収集を行った。 第一は、ロシアのおける調査である。19世紀後半における露清関係の変容と日本の北東アジア政策に最も関連があると推定される、帝政ロシアの外務大臣ラムズドルフと在韓国大使プランソンの文書群(ロシア国立図書館所蔵)を調査し、一部を複写した。 第二は、中国における調査である。中国では上海図書館ならびに中国海洋大学において当該研究テーマに関する中国側の研究動向を確認した。特に、中国のロシア研究を中心に著名論文等について中国の研究者からレクチャーを受けて収集した。 第三は、日本における調査である。国立国会図書館憲政史料室、防衛庁戦史部、北海道大学スラブ研究センターにおいて史料調査を実施した。特に、北海道スラブセンターが所蔵しているロシア国立軍事史文書館のマイクロフイルム史料と英露関係外交文書が本研究テーマにとって利用可能であることを確認した。総じて、研究計画にあげた二つの課題(1 1860年の北京条約の問題。2 1904年の日露戦争の開戦過程の問題)の内、第二の点を中心に研究を進行した。 本年度は、これらの史料の分析によって井上馨内務大臣の北海道巡視の問題を論文として発表することができた。また、北海道スラブ研究センターにおいて帝政ロシアの外務大臣ラムズドルフ文書を利用して日露開戦過程に関する研究発表を実施した。特に、ラムズドルフとアレクセー極東太守の北東アジア政策認識の相違が、両者の満州認識の相違に由来していることを解明することができた。
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