2007 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト西方砂漠のオアシス地域における文化受容の研究:アムン神信仰の受容と伝播
Project/Area Number |
19401033
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
大城 道則 Komazawa University, 文学部, 准教授 (00365529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 一朗 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (50314555)
橋本 英将 元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80372168)
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Keywords | エジプト / 西方砂漠 / ハルガ・オアシス / アムン神 |
Research Abstract |
本年度は11月26日〜12月23日にかけて、エジプト・アラブ共和国のハルガ・オアシス(アル・ザヤーン神殿遺跡)において、エジプト考古最高評議会の指導の下現地調査を実施した。神殿内と神殿前の参道部分の清掃の後、最奥部に位置する神殿至聖所内に彫り込まれたレリーフの三次元測量を行った。測量には三次元形状デジタル記録装置(Riegl:LMSー420,Riegle LMS-25H)と高精細三次元デジタル記録装置(コニカミノルタVivid910)を使用した。その結果、これまで肉眼では確認が困難であったレリーフの細部の記録を短期間で収集することが出来た。もし今回のように一定のレヴェルで三次元実測が可能となるならば、海外調査で最大の難点となる調査期間不足という問題が解決出来る。また現場を離れて実際に持ち帰った三次元デジタル記録から、日本においてヒエログリフ碑文の解読に取り掛かることが可能となった。もちろん最終的には現地における肉眼での確認を必要とするため完壁なものとはまだ言えないが、将来手間の掛かる碑文の実測・計測時間を大幅に短縮する可能性を提示することが出来た。またエジプトを訪れる度に明らかに崩壊が見られるアル・ザヤーン神殿を一部分とはいえ現時点においてデジタル保存し、将来行なわれるであろう修復作業の際に利用可能としておくことは、文化財保護のために重要であり、調査を行なう研究者のみならず現地エジプト人たちにとっても意義のある作業となる。
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Research Products
(7 results)