2008 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト西方砂漠のオアシス地域における文化受容の研究:アムン神信仰の受容と伝播
Project/Area Number |
19401033
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
大城 道則 Komazawa University, 文学部, 准教授 (00365529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 一朗 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
橋本 英将 元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80372168)
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Keywords | エジプト / オアシス / 西方砂漠 / アムン神 |
Research Abstract |
本年度は12月11日〜12月27日にかけて、エジプト・アラブ共和国のハルガ・オアシス(アル・ザヤーン神殿遺跡)において、エジプト考古最高評議会の指導の下、前年度の整理作業と神殿に彫り込まれたレリーフの確認作業を行った。その結果、レリーフの細部の記録を三次元測量により短期間で収集することが可能であることが確認された。持ち帰った三次元デジタル記録から、次年度以降、日本においてヒエログリフ碑文の解読に取り掛かることが可能となった。最終的には現地における肉眼での確認を必要とすると予想されるが、手間の掛かる碑文の実測とその後の解読時間を大幅に短縮する可能性を提示することが出来た意義は大きい。また本年度は8月31日〜9月7日にかけて、研究課題の大枠であるエジプト西方砂漠全体におけるアムン神信仰の浸透を確認するために、西方砂漠最西端のシーワ・オアシスと再東端のオアシス地域を形成するファイユームにおいてフィールドワークを行った。特に前者では巨大なアムン神殿以外にも幾つかの神殿跡を確認することが出来た。またネクロポリスにはアムン神に因んだ名前を持つ人々も埋葬されていることが確認出来た。アムン神信仰は現在のリビア国境付近にまで到達していたのである。この現象は、シーワ・オアシスを越えさらに西方地域へのフィールドワークの必要性を示している。次年度以降、エジプト西方砂漠の他のオアシス地域を踏査し、テーベの主神であるアムン神の伝播・浸透の確認作業を進める予定である。
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Research Products
(5 results)