2009 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト西方砂漠のオアシス地域における文化受容の研究:アムン神信仰の受容と伝播
Project/Area Number |
19401033
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
大城 道則 Komazawa University, 文学部, 准教授 (00365529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 一朗 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
橋本 英将 元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80372168)
|
Keywords | エジプト / オアシス / 西方砂漠 / アムン神 |
Research Abstract |
本年度は9月21日~9月30日にかけて、エジプトの西方砂漠地域(バハレイア・オアシス、ファラフラ・オアシス、ダクラ・オアシス、カルガ・オアシス)において、複数の神殿(例えばディール・エル=ハガル神殿やアイン・アムール神殿など)に残る羊の頭部を持つアムン神の図像の確認作業を行った。その際の成果と昨年度のシーワ・オアシスにおける調査結果を踏まえ、現在のエジプト国境からさらに西方に古代エジプトの主神であるアムン神信仰が伝播していた痕跡の確認を求め、12月19日~12月29日にかけて、エジプトの隣国であるリビアの地中海周辺遺跡(例えばレプティス・マグナ)とサハラ砂漠地域の岩絵群(例えばアカクス山地)における踏査を行った。前者においては、アムン神がギリシア・ローマ世界においてアムン=ゼウス神として土着の人々に受容され、その結果として神殿が建設されたという従来の説を確認した。また後者においては、研究代表者がアムン神の伝播の最西端(あるいは起源)と考えているアルジェリアのアトラス山脈地域に複数存在する頭部に円盤を持つ羊の図像の類例を一例確認することが出来た。次年度はさらなる類例の確認を目指してリビア東部のサハラ砂漠地域を踏査する予定である。 本研究のもう一つの狙いである「位置を動かすことが不可能なレリーフなどを三次元測量により短期間で収集し、持ち帰り、分析すること」については、次年度以降に分担者による成果が期待される。
|
Research Products
(6 results)