2007 Fiscal Year Annual Research Report
古代エジプト新王国第18王朝時代後期の岩窟墓の調査研究
Project/Area Number |
19401034
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 二郎 Waseda University, 文学学術院, 教授 (70186849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 作治 早稲田大学, 理工学術院, 客員教授(非常勤扱い) (80201052)
菊地 敬夫 サイバー大学, 世界遺産学部, 准教授 (10367112)
柏木 裕之 ナイバー大学, 世界遺産学部, 准教授 (60277762)
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Keywords | エジプト / 考古学 / 新王国 / 岩窟墓 / ウセルハト |
Research Abstract |
平成19年12月より、エジプト・アラブ共和国ルクソール市対岸に位置するテーベ西岸アルニコーカ地区において、新王国第18王朝アメンヘテプ3世治世下の大型岩窟墓である第47号墓の発掘調査に着手した。アメンヘテプ3世時代の高官であるウセルハトのために計画・造営された第47号墓は、20世紀初頭の発掘調査以後、完全に埋没してしまい、これまで、その正確な位置も明確ではない状態にあった。そこで、発掘調査に先立って、過去の調査記録や地形測量図、写真などを参考として、その位置を正確に推定した。 推定された位置を中心として、先ず発掘開始前の現状を記録するために、周辺部分の地形測量、写真による記録を実施した。その結果、第47号墓周辺には、第47号墓以外にも、第174号墓、-62-号墓(未登録でカンプ番号)、第264号墓、-330-号墓(未登録でカンプ番号)の計4基の岩窟墓が造営されていた。平成19年度には、第47号墓を含むこれら5基のそれぞれのプランと相互関係を示す測量図を完成させた。また、第174号墓と、-330-号墓、第264号墓の岩窟墓内部に残存する壁面装飾の写真記録および一部トレース図面の作成を実施した。平成19年度の発掘調査により、永年にわたり行方不明状態にあった岩窟墓である第47号墓の前庭部と推定される部分を検出し、第47号墓が従来考えられていたように南北に軸線を持ち北側に前室、さらに奥室と続く平面プランではなく、東西に軸線を持つ大型岩窟墓であると推定された。出土遺物や今回の発掘によって第47号墓の位置を正確に特定できたことは大きな収穫であった。平成20年の調査のために、発掘終了後、発掘地区の埋め戻し、遺跡保護のための鉄扉の設置、遺跡周辺の整備などもあわせて実施した。発掘終了後、エジプト考古庁(SCA)に英文による発掘終了報告書を提出した。
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Research Products
(2 results)