Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80153344)
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
紙村 徹 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (40295770)
石川 智士 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40433908)
市川 哲 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 機開研究員 (40435540)
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Research Abstract |
本研究では,1)資源として認識される自然環境をめぐり,パプアニューギニアにおいてどのような問題が生じているか,2)現地住民のなかに芽生え始めている新たな「開発」思想ともいうべき考え方の追及,3)開発的介入の結果,活発になった人口移動の調査の3点を目的とした。 今年度は,初年度の活動として,パプアニューギニアの各地において,現状調査と問題点の把握を主たる目的とした。主たる現地調査は,熊谷,川崎,紙村,市川によって行われた。熊谷は,東セピック州ブラックウォーターのクラインビット村で,1)全戸の世帯調査を行い,人口動態を把握するとともに,2)村人の開発観と現状における問題についての聞き取りを行った。その結果,現金収入機会の欠如,保健医療サービスの不足などこれまで指摘されてきた問題に加え,飲料水(泥炭湿地の地下水)に起因すると推測される手足の関節痛の偏在,サゴ椰子澱粉の採取をめぐる資源/人口比の逼迫などの自然環境をめぐる新たな問題が浮上してきた。 川崎と紙村は,東セピック州セピック川上流域,及びエイプリル川上流域に居住する民族集団バヒネモ,ポカ,ウイヤリへにおいて,鉱山資源開発,森林資源開発と伝統的園芸農耕の変容について聞き取り調査を行った。 市川は,州都ポートモレスビーとニューアイルランド州ケビエン周辺にて現地調査を行った。ニューアイルランド州では,オイルパーム・プランテーションの開発と在地社会との相互関係について,また,貝貨やマランガン彫刻が,観光開発のために利用される現状について聞き取り調査を実施した。
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