2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19401045
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
田辺 繁治 Otani University, 文学部, 教授 (00045262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 素二 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50173852)
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 教授 (00216607)
阿部 利洋 大谷大学, 文学部, 講師 (90410969)
藤田 直子 大谷大学, 文学部, 研究員 (70410975)
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Keywords | 文化人類学 / 社会学 / コミュニティ / 生存 / ニーズ |
Research Abstract |
本研究の目的である、生と生存のニーズに基盤をおく新たなコミュニティや運動に関する調査を、タイ、ラオス、オンボジアにおいて行った。 田辺は、タイ王国ランパーン県・チェンラーイ県のHIV/エイズ感染者ネットワーク、チェンセーン郡立病院等で聴き取り調査を行い、感染者の置かれた状況を時間的推移のなかで明らかにした。松田は、タイ王国チェンダオ県・メーワン県・チェンマイ県のコミュニティ・フォレスト運動を調査し、「コミュニティの再想像」という観点からその展開過程を位置づけた。高井は、タイ王国ノーンカーイ県・ラオス人民民主共和国ビエンチャン市においてベトナム系コミュニティの移住歴・アイデンティティに関する調査を行った。阿部は、カンボジア王国のクメール・ルージュ特別法廷をめぐる諸活動のなかで、各地の住民がいかにして法廷の進行に関与していくのか、という観点から参与観察を行った。藤田は、タイ王国アユタヤ県の工場労働者から聴き取りを行い、彼(女)らのコミュニティ内部における階層差の現状と要因について検討した。 各分担者の調査対象は、いずれも現代的な社会変化のなかで生じた新たな人間関係・人間集団の在り様を反映するものとなっている。研究成果をつき合わせる過程では、共通する課題が当時者の生存とニーズであることを具体的データとともに再確認し、次年度の方向性が「外部機関等との連携、葛藤、交渉」、「対象の生成的な局面の明確化」となることを把握した。 また、生成およびコミュニティ概念に関する理論的認識を共有・深化させるため、国内の話題提供者を招聘し、講演を依頼した(1件)。 代表者および各分担者による当該年度の調査結果を踏まえた論文は3件、学会報告は1件、書籍は1件である。
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Research Products
(5 results)