2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19402020
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
武藤 幸治 Ritsumeikan Asia Pacific University, 国際経営学部, 教授 (10341611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAHLAN Nariman 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 上級講師 (10369150)
MANI A. 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (40331102)
近藤 まり 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (60412805)
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Keywords | イスラーム金融 / 消費者アンケート / 統計分析 / シャリア選好 / 世界金融危機 |
Research Abstract |
1.2007,2008年度に実施した「消費者のイスラム金融選好」アンケート調査で得たデータ解析を行った。また、アンケート票の不備を補足するために回答者の追跡調査を行った。 2.チーム内で開発した多項回帰分析モデルによるアンケートの解析結果をデータベースにした。近く公表する予定である。現在は国別報告執筆の参考に資することを目的に各研究分担者に提供している。 3.統計解析の結果を対象地域(インドネシア、マレーシア)の金融当局及び金融機関に紹介し、当方の研究の広報を行うとともにコメントと追加情報を得た。 4.研究会の開催:(1)和歌山大学経済学部と共催でイスラム金融研究会を開催、調査結果等に着きプレゼンテーションを行った。(2)立命館アジア太平洋大学においてサウジアラビアから研究者(Abdullah Trukistani/King Abdul Aziz University)を招へいしワークショップを開催。(3)インドネシアからKacung Marjan(Professor<Faculty of Political Science, Airlangga University)を招へいして、東南アジアにおけるイスラームに関する国際シンポジウムを開催した。 5.学術研究会における発表:京都大学主催「公開講演会・グローバルイスラーム」において「なぜイスラーム金融は発展するか」(武藤)のプレゼンテーション行った。 6.その他、研究代表者は財団法人国際貿易投資研究所「産油国マネーとイスラム金融調査研究」委員会において「金融危機とイスラーム金融」、イスラムビジネス法研究会において「イスラーム金融:バハレーンとマレーシアの比較」の講演を行った。 7.意義と重要性 地域横断的にかつ、イスラム金融機関利用者(および非利用者)を直接ターゲットにしたアンケート調査は前例を見ない。アンケート結果の統計分析から、(イ)イスラム金融制度ができて初めて金融機関を利用する人、通常型から変えるひとが多かった。(ロ)利用者のイスラム金融選好理由は「シャリア」と呼ばれるイスら法にのっとって運用している点を挙げるひとが圧倒的多数である。(ハ)所得別には低所得層と高所得層の両極端に分かれている。(ニ)丁度世界金融危機と時期が重なったので影響も合わせ調査した。結果的にはイスラム金融が危機に強いという説は証明されなかった。これらの点は本調査研究で初めて明らかにされるもので、引き続き進めている執筆作業を通じて広くイスラム、非イスラム世界に成果を訴えていきたい。
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Research Products
(3 results)