2007 Fiscal Year Annual Research Report
英語化とアジアにおける社会編成-マレーシアの民間高等教育産業の展開と波及効果
Project/Area Number |
19402036
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
吉野 耕作 Sophia University, 総合人間科学部, 教授 (50192810)
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Keywords | 社会学 / グローバル化 / 高等教育 / 英語 / エスニシティ / 国際移動 / マレーシア / 留学生 |
Research Abstract |
本研究は、アジアにおける英語化の諸様相が象徴的に現れている現象としてマレーシアにおける民間の高等教育モデルを取り上げ、その展開と波及効果を実証的に考察するものである。平成19年度は3つの研究領域を中心に調査を行った。第1に、マレーシアにおいてトランスナショナルなリンケージに基づく民間の高等教育のモデルが創造された社会・経済・政治的状況に関する調査を進めた。具体的には、マレーシアにおける主な民間のカレッジにおいて、特にその創業者への聞き取りを行った。加えて、新聞アーカイブ等における資料調査を行い、民間の高等教育モデル誕生の背景を明らかにすることができた。さらに、同モデルが創造された際の民間のカレッジの提携先であるアメリカのコミュニティ・カレッジおよびイギリスのポリテクニークの担当者を特定化し、コンタクトをとることに成功した。第2に、マレーシアにおける高等教育の民間化、すなわち英語化は、留学生の国際移動・移住経路に影響を与えたが、19年度は、インドネシアの留学生の送り出し側の現状を調査した。マレーシアの民間のカレッジに学生を集めて送る斡旋業者の役割の重要性が浮かび上がった。第3に、同モデルは比較的安価で英米流の高等教育を開発途上国に導入する手段として注目され、アジア諸国において模倣が始まっている。19年度はベトナム国立大学の国際学校の事例を調査した。同モデルが他国に技術移転される状況とそれを推進している仲介者の役割が浮き彫りになった。以上に加えて、現地の研究者との議論を重ねることにより、本研究が言語社会論、国際移動・移住論、エスニック関係論、社会階層論さらにはグローバル化やトランスナショナルな社会の再編成に関する研究に対して有意義な貢献ができる点を確認した。
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