2008 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な都市再生とガバナンスに関するイギリス・アメリカ・アジアの比較都市研究
Project/Area Number |
19402039
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
西山 八重子 Kinjo Gakuin University, 現代文化学部, 教授 (10164617)
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Keywords | 都市再生 / 持続可能性 / ガバナンス / グローバリゼーション / コミュニティ / 都市貧困問題 / ボランタリー組織 / 市民セクター |
Research Abstract |
持続可能な都市再生の事例として、今年度は中国の上海市(田子坊、新天地)とその近郊歴史都市(周荘)を取り上げ、まちづくりの主体がどのような協働関係を築いているかを中心にヒアリング調査を行った。市主導の中央集権型の都市再開発事業である新天地、中国では珍しい市民主導の田子坊のまちづくり、歴史的町並み保全を市と民間が協働して事業化している周荘の比較検討を行った。新天地の再開発事業は、市行政が計画した貧困地域の再開発を住民の追い出しによって強権的に行われ、欧米型の町並みを形成している。この方式は、中国では一般的である。田子坊は、市の計画した再開発事業に反対運動を展開するなかで住民が、古い建物や工場を生かす地域再生を実現している。周荘はその中間型である。 11月中旬には、アメリカのCDCsの事例調査を、ボストンのチャイナタウン、ジャマイカプレイン、サンフランシスコのミッションベイで実施した。草の根的な都市再生事業を行っていることで歴史をもつアメリカのCDCsが、サブプライム・ローン問題で危機に直面している現実をヒアリング調査で明らかにした。財政力の弱い市民活動団体が、独自に都市再生事業を実施することの難しさと、支援の必要性を分析することになった。 なお、中国の都市調査については、上海市の田子坊とわれわれが調査してきた日本、欧米の都市再生事業とを比較した本を中国で出版することを打診され、原稿を取りまとめることになった。
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Research Products
(4 results)