2008 Fiscal Year Annual Research Report
共生社会における性教育の現代的意義-スウェーデンの先進的事例に学ぶ-
Project/Area Number |
19402048
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐藤 年明 Mie University, 教育学部, 教授 (80162452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 克哉 三重大学, 人文学部, 教授 (50225455)
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Keywords | 共生社会 / 性教育 / スウェーデン / sex och samlevnad / 基礎学校(grundskola) / 授業記録 |
Research Abstract |
佐藤は、2008年8月30日から9月7日までスウェーデンに渡航し、9月2日にBredangsskolanでbiologi担当教師Ms Sofia Sornasに同校の性教育についてインタビューし、3日には同校教諭Ms Signe Lindbackの授業(性教育ではない)を参観した。4日はDalaro skolaを訪問し、教師Ms Jenny Dufberg及び学校看護師Ms Agneta Lewerthによるsex och samlevnadの授業を5時間参観した(7年生男子2グループ、同女子・9学年男子・女子各1グループ)。5日はAl viksskolanを訪問し宗教の授業を参観した。以上の授業参観には性教育(sex och samlevnad)ではないものも含まれる。sex och samlevnadの授業は学校により学年も実施時期も多様であり、渡航期間には必ずしも参観できるとは限らない。今後における参観の可能性に期待し、とりあえずは各学校の教師や生徒とのコンタクトを維持するために、sex och samlevnad以外の科目の授業参観も行なっている。 佐藤は、2009年2月17日から24日まで今年度2回目のスウェーデン王国への渡航を行なった。2月20日にはBlackebergs gymnasiumを訪問し、移民生徒男子グループのsex och samlevnadの授業を2時間にわたり参観した。スウェーデンの高等学校での性教育実践参観は初めての経験であった。また他の数日間には、2008年9月のDalaro skola訪問時の授業記録完成作業を、通訳大橋紀子氏の支援を得て行なった。なお、児玉も同月16日から20日までスウェーデンに渡航し、2月18日にはStockholm市内で両名で資料収集を行なった。 今年度の調査研究は、前年度までに比べて大きな前進を見た。スウェーデン王国の学校教育におけるsex och samlevnadの実践については2007年度に初めて2校における参観の機会を得たが、いずれの学校でも残念ながらビデオ撮影が許可されず、記録を残せなかった。今年度の2校ではいずれも撮影許可をいただき、Dalaro skolaに関してはビデオ映像に基づく記録をほぼ完成し、Blackebergs gymnasiumについても2009年度9月予定の渡航時に完成させる予定である。スウェーデン語の音声を翻訳記録し、教師-生徒の肉声のコミュニケーションのレベルで実践の具体相を把握できるところまで来た。
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Research Products
(3 results)