2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19403005
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松尾 宏 National Astronomical Observatory of Japan, 先端技術センター, 准教授 (90192749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江澤 元 国立天文台, 電波研究部, 助教 (60321585)
大島 泰 国立天文台, 電波研究部, 助教 (40450184)
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Keywords | 電波天文学 / サブミリ波 / 2次元アレイ / ボロメータ / 超伝導検出器 |
Research Abstract |
平成19-20年度に行ったASTE搭載AzTEC観測装置による観測成果のまとめ、および、SISCAM観測装置の高感度化に向けた観測装置の整備を行った。AzTECを用いた観測成果は多岐にわたるが、本研究では銀河団のスニアエフゼルドビッチ効果および南黄極領域の遠方銀河サーベイデータの解析および論文化を進めた。 AzTECによる銀河団の観測は、1)SZ効果の検出を意図したもの、2)重力レンズを利用して最遠方銀河の検出を狙ったもの、合計で20個以上に上る。前者としてBullet ClusterおよびRXJ1347-1145など比較的赤方偏移の小さな銀河団から、後者として赤方偏移が大きくAGN伴った銀河団などの観測データを得ている。解析は主としてSZ効果の検出を目的として広がった放射成分に対して感度の高い解析プログラムの開発を進め、Bullet Cluster, RXJ1347-1145, Abell2163などで広がったSZ効果の検出に成功し、成果の公表に向けて解析を進めている。 南黄極の銀河サーベイについては、約1度×0.3度の領域に約180個の銀河を検出し、赤外線天文衛星「あかり」によるサーベイと比較し、多くの天体が赤方偏移2以上の高赤方偏移天体であることが明らかとなった。 サブミリ波650GHz帯でのサーベイ観測に用いるSISCAMについては、ASTE望遠鏡が発生する交流磁場に対して安定な動作を得るため、交流磁界シールドの導入、および、極低温回路の搭載が必須であることが明らかとなった。サブミリ波帯で本格的なサーベイ観測を実行するために、クライオスタットの交流磁界シールド対策、および、GaAs-JFET極低温集積回路を用いた32チャンネル極低温モジュールの製作を行った。SISフォトン検出器の大規模アレイと組み合わせることで、近い将来650GHz帯広域サーベイが実現できるものと期待される。
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Research Products
(9 results)