2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19404001
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (70187970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 泉 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (30302912)
大地 まどか 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40447511)
加藤 義久 東海大学, 海洋学部, 教授 (00152752)
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Keywords | 熱帯アジア / 汚染史 / 柱状堆積物 / 合成洗剤 / 多環芳香族炭化水素 / 石油汚染 / ポリ塩化ビフェニル / タイランド湾 |
Research Abstract |
2007年度はインド(コルカタ沿岸、チェンナイ沿岸、ムンバイ沿岸)、ベトナム(トンキン湾)、インドネシア(ジャカルタ湾)において堆積物の採取を行った。インドとベトナムにおいては表層堆積物の採取を行った。双方とも今年度以降のコアの採取に適した水域を見っけたが、コアの採取の前にさらなる予備調査が必要であることが明らかとなった。インドネシアジャカルタ湾では長さ50cmのコアを3地点で採取することができた。それらについて有機汚染物質の鉛直分布を明らかにした。その結果、ジャカルタ流域での合成洗剤汚染の進行、近年の下水道の普及が明らかとなった。一方、ジャカルタ湾堆積物中の多環芳香族炭化水素と石油汚染指標炭化水素ホパン濃度はコアの上から下までほぼ同じ濃度であり、多環芳香族炭化水素の組成は石油汚染が主な起源であることを示した。 2006年度までに採取して冷凍保存しておいタイ(バンコク湾)、マレーシア(ジョホールバル海峡)、フィリピン(マニラ湾)、ベトナム(ホーチミン沖)のコアの有機汚染物質の分析も行った。この中でタイのコアについて以下の興味深い結果が得られた。ポリ塩化ビフェニル(PCBs)濃度は1970年代に対応する深度に極大を持ち、タイ国におけるPCBsへの規制の効果が明らかになった。合成洗剤汚染の指標のアルキルベンゼン濃度は表層に向けて増加傾向が認められ、合成洗剤汚染が深刻化していることが明らかになった。石油汚染指標炭化水素ホパン濃度は表層へ向けて一貫した増加を示し、自動車交通に伴う炭化水素の流入が増加していることが明らかとなった。多環芳香族炭化水素濃度は1950年代、1960年代に急増し、その後は一定あるいは微増傾向であった。この多環芳香族炭化水素の傾向は先進工業化国における結果と異なっていた。タイ国の経済成長が石炭に依存しなかったことによると考えられた。これらの結果は国際誌(Marine Pollution Bulletin)に投稿し、掲載された。
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Research Products
(2 results)