2008 Fiscal Year Annual Research Report
黄河沈積泥砂の総合利用システム基盤構築に関わる学術調査
Project/Area Number |
19404011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 秀輝 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10396468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 浩孝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (20431538)
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Keywords | 黄河堆積泥砂 / 水熱硬化 / 循環利用 |
Research Abstract |
本課題は、中国の黄河に流れ込み、川底を上昇させている沈積泥砂の利用方法について検討するものである。黄河は泥砂の沈積が問題となっており、黄河下流では一年間に2×10^8tの沈積泥砂があり、約50年で川底が2.5-4.3m上昇しているため、水害が生じ易くなっている。沈積泥砂を回収し再利用することで、資源として確保するとともに、水害の低減を目指した。沈積泥砂を出発材料に用いて、固化することができれば建築物の構成材料としての応用が期待できる。本年度は、昨年度実施した黄河の現地調査に基づき、黄河の上流(銀川市)、中流(西安市近く撞関)及び下流(鄭州市)から採取した沈積泥砂を用いた固化体の作製を試みた。泥砂と消石灰を混合し、一軸加圧成型により成型体を作製し、飽和水蒸気圧下で水熱処理を行った。120℃以上で水熱処理することにより、20MPaの曲げ強度を有する沈積泥砂の固化に成功した。水熱処理時間や温度によって、析出するケイ酸カルシウム水和物の結晶相や生成量、大きさが異なり、曲げ強度も処理条件により大きく変化したことから、ケイ酸カルシウム水和物の生成が、固化体の強度を向上させる要因となっていることを見出した。また、水熱処理初期では、微細なCSHジェルが強度発現に寄与し、処理時間の増加と共にCSHジェルがトバモライトに転移することにより、粒子間をつなぎ合わせることで、沈積泥砂が固化する機構を明らかにした。 また、強度発現に泥砂中の有機物の含有が影響していることも明らかになり、実使用に当たっては、有機物除去を踏まえたシステムの構築が必要である。
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Research Products
(1 results)