2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア開発途上国におけるフッ素による地下水汚染のリスク評価と対策技術の開発
Project/Area Number |
19404013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 智 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (10206914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 久美子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00361527)
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Keywords | フッ素 / 地下水 / 健康リスク / ノツ素歯牙症 / 地理情報システム |
Research Abstract |
タイ北部チェンマイ盆地は地下水中のフッ素濃度が高く、住民の間にフッ素の過剰摂収による健康被害が広がっている。本研究ではチェンマイ大学と協力し、 1.地下水中のフッ素濃度上昇プロセスの解析 2.地下水からのフッ素濃度低減技術の開発 3.地下水中のフッ素リスクの低減についての調査研究を行った。 1.については、チェンマイ盆地における地下水観測井戸を用いた詳細調査を行い、地下水水位、水質の解析を行い、フッ素の起源と地下水中への溶解プロセスについて解析を行った。特に、地下水水温の計測を行い、温泉などに由来する熱水が地下水水質に及ぼす影響や、地下水の涵養や流動についての解析を行った。 2.については、地下水サンプルを川いて、逆浸透ろ過実験を行い、地下水中のフッ素が除去可能であることを示した。 3.については、地下水中のフッ素濃皮分布地図を作製し住民に提供することにより、地下水利用によるフッ素リスク低減に貢献した。 さらに、チェンマイ大学の学生らとともに、住民への聞き収り調査を通じてフッ素の摂収経路を特定し、それに基づくフッ素リスク低減のための教育プログラムを開発した。特に、地元住民は飲料水を地下水から雨水やボトル水に切り替えているものの、尿中のフッ素濃度を測定することにより、依然として高い濃度のフッ素を摂収していることが示された。このデータに基づいて、住民の食生活とフッ素の摂取経路を調べたところ、米の炊飯により水中のフッ素が米に吸収され、米食によりフッ素を摂取していることが明らかとなった。それをもとに、本候補者は現地の小中学校教員との話し合いを重ね、2007年に6校において計340人の生徒に対して、参加型のフッ素リスク削減教育プログラムを実施した。
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[Journal Article] Estimation of fluoride intake sources and fluorosis among the population living in the Chiang Mai Basin2007
Author(s)
Takeda, T., Wongrueng, A., Takizawa, S., Choompolkul, W., Chaimongkol, S., Wattanachira, S.
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Journal Title
Proceedings of the XXVIIth Conference of the International Society for Fluoride Research 27
Pages: 12-13
Peer Reviewed
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[Journal Article] Assessment of fluoride intake, excretion, and health effects in CHaing Mai Basin, Thailand2007
Author(s)
Takeda, T., Wongrueng, A., Takizawa, S., Choompolkul, W., Chaimongkol, S., Wattanachira, S.
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Journal Title
Proceedings of the International Symposium on Southeast Asian Water Environment 5
Pages: 9-15
Peer Reviewed