2009 Fiscal Year Annual Research Report
マップ化を目標とした風土建築の環境工学的検証に関する調査研究
Project/Area Number |
19404014
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
出口 清孝 Hosei University, デザイン工学部, 教授 (30172117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喬 法政大学, デザイン工学部, 教授 (60267325)
吉田 長行 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30144877)
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Keywords | 風土建築 / 環境計測 / 自然エネルギー / 快適性 / ベースマップ / 構造法分析 / 省エネルギー / 地図情報 |
Research Abstract |
気候・気象分布や,構造・構法的特徴などにより風土建築(ヴァナキュラー建築)を分析・分類すべく,次の調査を実施した。 1.高温地域における日干し煉瓦造住居の温熱・空気環境北アフリカ,モロッコにおいて,カスバと呼ばれる日干し煉瓦造の要塞型住居の温熱・風環境の調査を平成21年8月に実施した。カスバは400~900mmの壁厚の3階建で,屋上には四隅に監視塔を持つ。外気温は40℃を超え日較差が約20℃にもなるのに対し,外部に開放された部屋の室温日較差が9℃~12℃,外気に直接面せず日射が影響しにくい部屋の室温日較差は6.5℃と,熱容量の大きい壁による温度特性をとらえることができた。 2.オンドルを有する韓国の伝統的民家の温熱環境韓国の伝統的暖房方式であるオンドルを持つ伝統的民家について,平成21年に続き,冬季の実測データの補強のため平成22年2月の厳寒期に実測を行った。内外温湿度・床面温度などに加え,床面の熱流量,およびサーモビュアによる床面熱画像データを収録した。伝統的なオンドルでは,炉の熱源から近い床の表面では40℃以上にもなるのに対し,炉から遠い床表面温度は20℃~22℃と差が生じ,サーモビュアにより面的な温度分布を捉えることができた。これにより,冬期と夏期の環境の特徴をとらえることができ,日本の住居との比較など,シミュレーションのためのデータが得られた。 3.世界の気象データの収集と風土建築の世界マップ風土建築に大きな影響を及ぼす気象データを,北アフリカの高温・乾燥地域,アジアの蒸暑気候など収集し,材料・構法などによるマップ化を行った。
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Research Products
(9 results)